今、野党に必要なこと

 

こさいたろうの視点・論点 0129

2020/02/16

 

今、野党に必要なこと

 

「意味のない質問だよ」。辻元議員の質疑終了直後、安倍首相が言い放った言葉です。いわゆるヤジ。中継中のラジオからもはっきりと聞こえました。責められるのが我慢できないんですよね。

 

その後、すったもんだの上再開した委員会で、「私に言わせれば質問ではなく、罵詈雑言の連続だった。私に反論の機会は与えられずに。こんなやりとりでは無意味じゃないかと申し上げた」と安倍首相。僕は悪くないと。

 

子どもかよ、と。権力者はどんな批判も受け止め、自らの戒めとし、政の糧とすべきではないのか。このような人をトップに据えている日本社会は大丈夫なのか。暗澹たる気分にさせられました。

 

その後、質疑に立った逢坂議員は、「本当に安倍内閣、デタラメだと思いますよ。行政私物化紛いのことはいっぱい発生するし、そしてそのことを指摘すれば公文書を廃棄するし隠蔽するし改ざんするし捏造するし、国会で質問すればまともに答弁しない。ご飯論法だ。逃げて歩く。そして閣僚に至っては本当に閣僚の資質があるのかどうか…わからない人はぐだぐだぐだぐだ答弁して。終わってるじゃないですか」と。

 

僕は、認識を共有します。でも、野党は今のままでよいのでしょうか。全国中継入りの予算委員会を使って桜を見る会の疑惑を細かい部分まで追及し、その関連で口下手な北村大臣をつるし上げ。高級官僚のラブラブ出張疑惑、法務省関連の不適切と疑われる人事などの追及。追及も野党の役割には違いないが、結局は追い込むことができず、時間ばかりが過ぎていくという悪循環。答えない、隠す、捨てる、取り繕う、逃げる、安倍首相はじめ政府側に非の多くがあるとは思うが、このままでは政府与党の思うつぼではないでしょうか。

 

国民の目線で言えば、このままの追及型の国会運営を続け、仮にいくつかの失点をつけることができたとしても、野党の評価は上がらないと思うのです。つまり、追及するだけでは、自民党の代わりに政権を任せていいという存在にはなりえないと思うのです。しないよりはしてもらった方がいいけど、政権は任せられない昔の社会党ですね、わかりやすく言えば。

 

もう国民も、いろいろおかしなことが積み重なっていることはわかってきた。いわゆる、長期政権の弊害も露呈しつつある。問題は、じゃあ、現政権の後に担わせてもいいなという政治家や政党、政治勢力があるのかということ。

 

国民に向けて、目指すべき国家像をわかりやすく示し、それを実現するための具体的政策を体系的に示す。今こそ必要な作業は、これしかないと僕は思うのです。政権を担う準備が整っているぞ、という姿が見たいのです。

 

民主党の政権交代が失敗だったので、具体的な数値の入ったマニフェストはもはや示されなくなってしまいました。税収が堅調な今こそ実行すべき行政改革も語られなくなってしまいました。

 

受け皿さえ作れば、政権交代可能という多くの野党議員の発想。多くの国民は、それは危険だと直感していると思います。何をするか、だれがするか、それができる体制か、極めて具体的に示すことから始めなければ、世の中は変えられない。僕はそう感じています。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

     

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