香港国家安全法

 

こさいたろうの視点・論点 0142

2020/06/07

 

香港国家安全法

 

5月28日、中国で「香港が国家安全を守るための法制度と執行メカニズムに関する決定」が採択されたとのこと。

 

  • 【SankeiBiz】によると、全人代常務委員会が制定する香港の国家安全法では、国家分裂、政権転覆、組織的なテロ活動など国家の安全に重大な危害を与える行為・活動や、外国勢力による香港への干渉が禁止されるとのことで、具体的には、(1)反中国共産党デモを行う(2)香港独立や英領香港時代の旗を掲げる(3)新聞や出版、ネットを通じて「共産党独裁反対」「中国の民主化要求」「天安門事件の真相究明」などを主張する(4)外国の議員との面会や、海外で香港問題への支援を求める講演を行う-ことなどが罪に問われる可能性があるという。また、このほか、(1)中国の国家安全当局は香港に出先機関を設置可能(2)香港行政長官は国家安全教育を推進することになる。香港の外国人裁判官が国家の安全や治安に関する審理を担当できなくなる-との報道もある、と報じている。

 

それに対し、

 

  • 【AFP】によると、英、米、カナダ、オーストラリアの4か国は28日、中国が香港に「国家安全法」を導入する方針を決定したことについて共同声明を発表し、国際公約に真っ向から違反すると主張した。 4か国は声明で、「香港に新たな国家安全法を導入するという中国の決定は、法的拘束力を持ち、国連(UN)にも登録されている英中共同声明に基づく国際的な義務に直接抵触する」と指摘した。 さらに、1997年に英国から返還された香港の特別な地位に言及し、「国家安全法は一国二制度の枠組みを弱体化させる」とした。 4か国は、「この措置が香港社会に既にある深い分裂をさらに深めることを非常に懸念している。国家安全法は、香港における相互理解の構築や、和解の促進の役には立たない」と指摘。「世界が(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的な大流行)に集中するには、各国政府に対するより一層の信頼と国際協力が必要だ。中国政府の前例のない行動は、逆の結果を招く恐れがある」と述べた、と報じている。

 

そして、6/7、「日本、中国批判声明に参加拒否 香港安全法巡り、欧米は失望も」と共同通信が報じた。

 

  • 【ワシントン共同】 香港への国家安全法制の導入を巡り、中国を厳しく批判する米国や英国などの共同声明に日本政府も参加を打診されたが、拒否していたことが6日分かった。複数の関係国当局者が明らかにした。中国と関係改善を目指す日本側は欧米諸国に追随しないことで配慮を示したが、米国など関係国の間では日本の対応に失望の声が出ている。新型コロナの感染拡大などで当面見合わせとなった中国の習近平国家主席の国賓訪日実現に向け、中国を過度に刺激するのを回避する狙いがあるとみられる。ただ香港を巡り欧米各国が中国との対立を深める中、日本の決断は欧米諸国との亀裂を生む恐れがある。

 

 

なぜ、日本政府は共同声明に加わらなかったのか。本当に、習近平氏訪日実現に配慮しての決定なら、言語道断ではないか。僕は好きな言葉ではないが、いつも安倍首相が口にする「価値観を共有する国々」の打診だったはずで、なぜ断ったのか、国民に対して明確な説明が必要だ。もとより、共同通信が報じなければ打診を受けていたことすら国民は知りえなかったはずで、なぜ打診を受けた事実を伏せたのか、その点についても説明が必要だ。

 

BBCによると、日本の外務省は5月28日、香港は同国にとって「緊密な経済関係及び人的交流を有する極めて重要なパートナーであり、一国二制度の下に、従来の自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが重要」だとの立場を示した、と報じているが、この時に共同声明に加わらない理由を述べるべきだったのではないか。

 

中国との関係改善を目指すことは必要だが、香港の自由を脅かすような中国の決定に対しては、国際社会と連携して毅然とした姿勢を示すべきだと僕は思う。加えて、この決定に関して、役人の描いたシナリオに政治が追随する昨今の安倍政権の体質が根底にあるのではないかと勘繰っている。

 

官僚主導の政治には、その結果の責任を取る者がいない。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

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