一市民には何もわからない〈この夏、道の駅はくしゅうが突然閉鎖〉

 

こさいたろうの視点・論点 0108

2019/08/30

 

 

一市民には何もわからない〈この夏、道の駅はくしゅうが突然閉鎖〉

 

 

この夏、私の住む地にある「道の駅はくしゅう」(山梨県北杜市白州町)が営業休止になりました。おいしい湧水を汲んで持ち帰れる道の駅として有名で、夏は多種多彩な農産物が販売され、多くの観光客が訪れる人気スポットです。

 

冬は土が凍るほど寒く露地栽培が困難なはくしゅうの農家にとっては、たくさんの野菜を収穫し、たくさんのお客様の集まる夏は、まさに一年一度の大切な繁忙期になるわけです。だから、この道の駅の販売所は、少し大げさかもしれませんが、「命綱」という農家さんもいると思います。

 

全国ニュースにもなったようなので、ご存知の方もいらっしゃると思います。まあ、ひどいことです。指定管理者の幹部の方々は知っていたのかもしれませんが、道の駅に野菜を並べている一般の農民の皆さんに「一時休止」が伝えられたのは、なんと前々日の夕方だったそうです。

 

指定管理者を指定しているということは、施設は北杜市のものということです。だから、こんなにも唐突な「閉鎖」という対応も可能だったわけです。関係者にも直前まで伝えずに。であれば、他にもできる「力技」があったはず。

 

緊急措置として、一旦指定管理者による運営を凍結し、ゴタゴタが解決するまでの間、「北杜市直営」に切り替える。ちょっとしたお膳立て、事前準備は必要だったとは思いますが、休止・閉鎖してしまうよりよっぽどよかったと思います。内情に詳しくありませんが、JA梨北にでも時限的に運営委託すれば十分可能だったように思います。

 

私が東京で地方政治に携わっていた時、少しだけ似たような事例に遭遇したことを思い返していました。子育て施設の運営をある組織に任せる中で運営に問題が生じた際、緊急的に直営方式に戻して、施設運営を継続させたことがありました。今思えば、利用者に迷惑をかけない見事な緊急避難をしたと思います(その後少しごたごたしたのですが)。やればできるはずなのです。

 

何よりも、夏のシーズンに多くの観光客に来訪してもらうこと、そしてお金を使って頂くことが、北杜市と多くの北杜市民にとって何にも増して重要なことくらい、市長、市役所職員、わかっていないはずがないと思います。でも、8月1日に「道の駅はくしゅう」は閉鎖されたのです。「わかっていない」と言われても仕方ありませんね。

 

さらに言えば、市政のチェック役である市議会は何をしていたのか。情報によると、全員協議会は開かれたようではありますが、夏休みシーズンに、この北杜市で、道の駅が開かれない、なんてことがあっていいのか。いいはずがない、というのは総意ではないでしょうか。各地の市民の代表である議員で構成される市議会は、党派を超えて、体を張って、変更させる、開かせるのがその責務ではなかったでしょうか。20人もの議員がいて、なんとしてでも開かせなきゃならない、というふうにはならなかったのでしょうか。知恵を出せばのりきる方法があったはず。知恵を出し合うのが議会じゃないのか。きわめて悲しく、残念です。

 

市議会には、事後になってしまうとはいえ、今後のために、今回の「道の駅はくしゅう」一時休止の騒動について、詳細を調査し、責任の所在を明らかにし、今後の指定管理者制度運用に資するよう報告をまとめ、広く公表してほしいと思います。

 

そして、今回の事件で露呈した最大の問題は、市長から市民に対する説明が全くなされていないということです。記者会見もなければ、コメントもなければ、ホームページ等を通じた発表もありません。情報は、関係者からの発信、または報道のみです。

 

農民というステークホルダーに閉鎖が伝えられたのは前々日。これはこれで問題ですが、「道の駅はくしゅう」は北杜市の施設。納税者である北杜市民は全員ステークホルダー(関係者)と言えます。騒動からもうすぐ一か月。いまだに市民へ何かが伝えられる気配はありません。

 

おそらく、これが北杜市長と北杜市役所の当たり前。伝統的体質なのでしょう。時間がかかっても変える必要があるはずです。北杜市在住三年目、新米市民が感じた思いを書き残します。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

     

 

 

 

 

 

 

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