第二波ではないのか 〈新型コロナウイルス感染拡大〉

 

こさいたろうの視点・論点 0148

2020/07/28

 

 

第二波ではないのか 〈新型コロナウイルス感染拡大〉

 

 

近所に人気のあるオートキャンプ場があり、公道からキャンプサイトの一部が見えるのですが、この4連休、大盛況の様子でした。車が隙間なく停まっているのが見えました。また、いつもの年ほどではないものの、八ヶ岳山麓エリアである周辺には、いわゆる他県ナンバーの車がたくさん走っています。

 

目をつり上げて「来ないでください」とまでは言うつもりはありませんが、東京をはじめとする感染者数の発表を見るにつけ、大丈夫なのかな、と心配の度合いは日々高まります。

 

知人が作成した「東京都の新規感染者数の推移」という表が手元にあります。先の緊急事態宣言下、4/10-4/16の週に新規感染者数1,108人まで増えましたが、5/15-5/21の週に59人まで減少。実は、この後の週比較では、ほぼ毎週拡大し、7/10-7/16に1,368人、7/17-7/23には1,780人になっています。

 

緊急事態宣言解除直前が底で、そこから増加の一途ということになります。

 

政策研究大学院大学の土谷隆教授は6月に、何の対応をしなければ7月末に感染者は500人を超え、8月末に最大3388人に達するとの実効再生産数を基にした試算を発表していました。現在の状況は、その試算が現実と酷似していると話題です。あくまで数理モデルによる予測ではありますが、何らかの対策が必要であることを示すデータだと思います。

 

しかし、政府も東京都も、緊急事態宣言の発出どころか、強い注意喚起もなされず、感染拡大を抑えるための具体的政策も打たれる様子がありません。むしろ、納得できる説明なきまま、「GO TOキャンペーン」が開始され、入国規制の緩和方針が示されるなど、感染拡大が収束しつつあるかのように錯覚してしまいそうです。

 

「4月の緊急事態宣言時とは大きく状況が異なっています」。7月22日、新型コロナウイルス感染症対策本部で安倍首相はこう発言しました。前後を端折ってしまったのでわかりにくいですが、「だから、緊急事態宣言は不要」という意味になります。

 

本当にそうでしょうか。私の知人が東京都のデータを分析したところによると、リスクの高い60歳代以上の感染者の絶対数は4月の緊急事態宣言時に近づいているといいます。(3/27-4/2に110人になり、その後最大294人/週まで増加。直近、7/10-7/16・104人、7/17-7/23・167人と増加傾向。)

 

また、人口呼吸器装着数も同様に、4月はじめと同水準に達している。(7/10の週まで減少を続けたが、7/17の週に19に増加。)

 

手元にある東京都のデータを紹介しましたが、全国的に見ても新規感染者は増え続けていて、7/24には912人となりました。ここでは載せられませんが、グラフを見れば急激な右肩上がりは明らかです。4月の緊急事態宣言時と状況が異なっているどころか、拡大のペースはむしろ速いのではないでしょうか。

 

「要警戒」のメッセージを出すべき時だと私は感じます。「みなさん、感染防止の行動を再度強める時です」と世論喚起すべきです。感染爆発してしまえば、取り返しがつきません。したがって、「GO TO キャンペーン」も一旦停止すべきです。要警戒を求めつつ、旅行を進めることはできないはずだし、すべきではありません。感染爆発を招けば、日本の観光は壊滅的打撃を受けてしまうのです。

 

前回の緊急事態宣言では、接触8割減のお願いがなされ、結果を見るとかなりの効果があったように見えます。今度は、経済活動をできる限り続けながら同様の効果が得られるように、識者の英知を結集して早急に具体的な対策を打ち立てるべきです。

 

申し訳ありません。私には具体的対策は思い浮かばないのですが、少なくとも経済優先で旅行をどんどんして下さい、という政策を推進すべき時ではないことだけは、強く思うのです。今、このような政策を推進しようとしている政治権力は極めて危ういと私は感じています。

 

自粛はこりごり、と思う方々も多くいらっしゃると思いますが、下手をすると、感染爆発で自粛どころでは済まなくなる可能性もゼロではない、ということを忘れてはならないと思うのです。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

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