政局と原発ゼロ

こさいたろうの視点・論点 0034

2018/01/21

 

政局と原発ゼロ

 

野党がまた迷走していますね。懲りずに、くっつくとか離れるとか。もういい加減に分かってほしいと思うのですが、無理なんでしょうね。目指す方向をそっちのけにして大きな固まりを作っても、何も成し遂げられないということを。

 

立憲民主党がなぜ一定の支持率を保っているのか、よく考えてみてほしい。本音を押し殺して自民党に対抗するためだけに大きな固まりを作る、っていうことをやめたからだと僕は思います。奥歯にものの挟まった言い方をする必要がなくなって、国民に分かりやすくなった訳です。

 

枝野さんは、排除されて気付いたんだと思います。自らの主張を曖昧にしたままでは、国民の心に思いを届けられないということを。もしかすると、小池さんに学んだのかもしれません。逆に小池さんは、大きな固まりを目指す曖昧路線に舵を切ったのは皮肉ですね。

 

結局、小池さんの作った希望の党は民進党別働隊が仕切ることとなり、大きな固まり路線に逆戻りですよ。民進党と一緒になろうとか、やっぱり立憲民主党とまず交渉すべきとか。言葉が汚くて恐縮ですが、間が抜けているとしかいえません。

 

野党の政治家は、今一度自らの信ずる道を一人の政治家として歩むべきではないでしょうか。一時的に野党が細分化されてもやむを得ないと思います。そこから主張をぶつけ合いながら、新たに政党を再構築していくしかないと僕は思います。

 

今の時点で一強多弱と言われている政界です。多弱の「多」がもっと増えたって大した影響はありませんよ。真に理念を共有できる人たちで政党を作る。小政党乱立でいいじゃないですか。その方が国民には分かりやすいと思います。

 

その上で、実現すべき政策が同じならば、協力・共闘すればいい。日本の未来を左右する重要政策はいくつもありますが、その一つに原発政策があります。党内に異論を抱えながらどっちつかずというのではなく、本心から原発ゼロ実現を目指す人たちが共闘する。

 

政党が細分化されれば、はっきり言えるはずです。そして、国民にもはっきり見えるはずです。私はそう思うのだけれど所属政党が、などという言い訳を通用させていてはダメなんです。小泉純一郎さんは明快じゃないですか。一人で始めているから、明快なんですよね。

 

大きな固まりでいたいのは、国会議員がバッジをつけ続けたいからとしか思えません。次の選挙で落ちようとも必要な政策実現を図るんだ、という気概を見せられないのか。大きな固まりを作る労力を、政策を実現させる労力に振り替えられないのか。

 

自民党が政権をおりて、取って代わる政治勢力が何をやるのか全く見えないところに国民の不信があります。何も変わらないなら、あるいはとんでもない方向に変わってしまうのなら、自民党のままでしょうがないな、ということになります。

 

そんな中で、小泉さんは池に石を投げ入れてくれたのではないでしょうか。明確な原発ゼロ社会の実現を目指そうと。その波紋を大波にするかどうかは、野党の政治家にかかっていると思います。野党でも電力労連系や偏狭な右翼系は反対でしょう。

 

そういう人たちは無理に協力してくれなくていいんです。本気でやろうという政治家だけでいい。スクラムを組めば大波になるはずです。とにかくこれを実現させる。それまでは、憲法改正も消費税増税も凍結、外交の基本姿勢は継続、と。

 

これだけはやり遂げるという政治家の信念が伝わって初めて、国民の心は動くのだと思います。立憲民主党も、真価が問われます。連合に気兼ねするようなそぶりを見せれば、終わりですね。野党が次の選挙など目もくれず邁進すれば、必ず展望が開けると僕は見ています。

 

原発ゼロ社会の実現は、日本社会の未来を大きく変える、日本社会の可能性を引き出す極めて重大な政策変更。既得権勢力は大反対を展開するはず。この既得権に真っ向から勝負を挑める政治家の出現を、僕は心から待望していますが、果たしてこの先やいかに。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

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