自然を抑え込むことはできるのだろうか(同時多発の大水害を目の当たりにして)

 

こさいたろうの視点・論点 0115

2019/10/26

 

 

自然を抑え込むことはできるのだろうか(同時多発の大水害を目の当たりにして)

 

 

大変な被害となってしまいました。この秋の台風襲来。我が家は土砂災害警戒区域内に所在しており、10月12日には念のため、近隣の指定避難所〈体育館〉で一夜を過ごしました。我が家も、田畑も、近隣の皆さんも被害はほぼありませんでした。

 

ただ、少し落ち着きを取り戻した後、テレビのニュースなどを見ると、関東から長野、東北地方に至るまで被害が広範囲にわたっており、しかも尋常ならざる洪水をはじめとした災害の様子を映し出していて、目を疑い、言葉を失うばかりでした。

 

そんな中、10月13日、ラグビー日本代表チームが予選突破をかけて強豪スコットランドと対戦する試合が行われました。結果は見事な勝利。日本チームは素晴らしいプレーをもって、私たちに勇気と感動を与えてくれました。私は、ゲームが開催されたこと、よかったと感じます。

 

ただ、この日のSNSを見ると、多くの政治家がこのゲームについての投稿をアップしていました。中には、日本代表ジャージを着てスタジアムで観戦する様子を投稿している人もいました。大災害が起きている地域が選挙区の人もいました。私の旧知の政治家でした。何だか残念でなりませんでした。

 

「それとこれとは違う」、とおっしゃるかもしれません。でもですね、報道からも、いや、現地の肌感覚として、抜き差しならない事態が起きるかもしれない、ちょっとヤバいぞ、っていうのはわかるはず。ラグビーの応援をすることは、どう考えても後回しの状況だったのでは、と私は強く思いました。

 

そんなふうに思った夜、Twitterに思うことを綴りました。昔、そういうふうに発信していたことを思い出して、書いてみました。今回の「こさいたろうの視点・論点 0115」には、その投稿をそのまま掲載してみます。

 

(以下、引用)山里にいるから思うんです。ラグビー日本の躍進嬉しいんだけど、昨日の今日、至る所で堤防決壊してる中、日本は大丈夫なのか、って。

 

日本の叡智を集めて、ダムを作り、堤防を整備し、100年に一度の洪水をも抑え込める河川管理をしてきたはず。でも、その想定はなんなくやぶられた訳で。

 

それも、局地的ではなく、極めて広範囲で。至る所の洪水の映像が生々しく、我々の信じてきた文明の限界を示しているように思えるのです。

 

では、昨日から続く災害を振り返り、さらにそれを抑え込むダムを作る、高い堤防を作る、ていうような従来発想で本当にいいのか、考え込んでしまうのです。

 

東日本各地で、生活の場所が水浸しになっていること。人命救助や当面の復旧を急ぐことは当然なんだけど、もっと根源的な何かを、我々に突きつけているように感じるんです。

 

少なくとも今日、ラグビー映像にかさなり堤防決壊の文字情報が流れ続ける中、政治に携わる人たちには考えてほしい。ラグビーのSNS投稿は違うんじゃないか。

 

これからあるべき日本の姿。真剣に考えなさいという、お天道様の思し召しかとも思う。ラグビーの日本代表選手たちがいろいろな国の人、っていうのも、新しい日本の姿ともいえるのではないか。

 

人間が自然を抑え込むことは、僕は出来ないのだと思います。それを受け入れることが、日本の生き方の柱の一つになるのではないかと、思います。

 

洪水の映像、あまりに衝撃的で、思うところを残しました。乱文ご容赦を。(引用、終わり)

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

     

 

 

 

 

 

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