参院選が終わり… 主権者は国民…

 

こさいたろうの視点・論点 0105

2019/07/28

 

 

参院選が終わり… 主権者は国民…

 

     

 

主権者である国民が参院選で示した方向は、安倍自公政権で概ねこれまで通りの政治を遂行せよということ。投票率が50%を割り込んでいるだの、自民党は全体の20%しかない得票数で半数に迫る議席を得ているだの、投票率が低いから得票数が激減しても組織政党である公明党の議席数が増えただの…。いろいろな論評はあるものの、投票への妨害があったわけでもなく、棄権という行動も主権者である国民の意志であり、主権者の示した選挙結果は厳粛に受け止めねばならない。

 

たしかに、野党がバラバラではどうしようもないとか、自民党に代わって任せるべき政党が見当たらないとか、誰がやっても変わりないんじゃないかとか、それは間違いないと私も思う。でも、不甲斐ない野党のせいにしても、政治家のせいにしても、政治も社会も変わるはずがない。なぜならば、議員は、国会議員にせよ地方議員にせよ、主権者である国民に選ばれているわけで、主権者の意志表示なくして、政治の方向性は決まらないからだ。

 

ゆえに、先の参院選の結果から導かれるのは、これまでの安倍自公政権への信任、基本姿勢・政策の継続となる。日米同盟により軸足を置いた外交・安全保障政策が展開され、場合によっては「有志連合」への参加の可能性も出てくる。辺野古移転は粛々と進められる。消費税率は10%となり、未就学児の教育保育や高等学校授業料の無償化などが行われる。国土強靭化と銘打った公共事業に7兆円が投入される。外国人材をさらに積極的に受け入れる。初めての憲法改正に向けた取り組みがさらに強化される。などなど…。

 

「いや、それを認めたつもりはない」と後から叫んでみても、なかなか通るものではない。選挙で結果が出ているから。自分が権力者の一員なのだから。

 

私たちは、日本国の主権者である私たちは、激動する国際社会の中に生きる者として、新興覇権国家と隣り合わせの国に生きる者として、急激に少子化・高齢化の渦中にある国に生きる者として、他国との軍事同盟を背景に自国の平和や安全を保つ特異な国に生きる者として、主権者である意識を、当事者であるという意識をもっともっと強くする必要がある。「誰か」に任せていても、究極、その結果責任を「誰か」はとってくれない。

 

たしかに野党は不甲斐ない。何かやってくれそうにも見えないし、失敗の責任をとらない面々がいまだに居座っているし、何より、日本という国が進むべき方向性を明確に示さない姿勢は、政治を担う資格すら問われる状況だ。

 

ただ、「だからダメだなぁ」というだけでは主権者としての責務を果たしているとは言い難いのではないか。自民党ではダメだという主権者は、ダメな野党を淘汰させ、国民の信頼に足る政治勢力を新たに構築させる責務があるのではないか。それが国民主権の国に生きる者の務めではないのか。

 

私は、日本国を船に例えれば、針路設定、目標の港を再設定するかどうか、厳しく議論すべき時のように強く思う。みんなが船長なわけで、みんなで議論し決めるべきものだと思う。しかし、今、そのような議論が行われているようには全く見えない。中途半端にお茶を濁していれば、真綿で首を絞められるように、破綻の招来に向かってしまうのではないか。無性に心配になる。

 

自民党にせよ、その他の政治勢力にせよ、日本がどんな国になるべく進むのか、そのための具体的政策は何か、できるだけ早期に、明確に示してほしい。

 

示さないなら、示させるのが主権者の役割、なのだが…。現実はそう簡単ではない。どうすべきなのか、今、私は答えを持ち合わせていない。

 

その上で、先の参院選で改めて感じとことは、「選挙を棄権することは現状への信任」、ということだった。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

 

 

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