10連休、これでよかったのか?

 

こさいたろうの視点・論点 0094

2019/04/30

 

 

10連休、これでよかったのか?

 

 

いよいよ、今日で「平成」が終わります。30年前、昭和が終わり平成となった日、当時19歳。自宅マンションで報道番組にくぎ付けになっていたことを思い出します。日本はバブル経済真っ只中(というのは後で実感することとなりますが)、東欧諸国の民衆革命が進行しつつあり、ソ連はペレストロイカで冷戦終結の期待も高まっていた、そんな時代でした。政治には全く疎い若造であった私も、昭和天皇の崩御、昭和という時代の終焉を体験することとなり、なぜだか興奮を感じたことを覚えています。

 

あれから30年。個人的には、全く想像もしていなかった政治の道に足を踏み入れ、開かれた政治、官から民へ、行政改革の実現などに向けて、自分なりに全力を傾注してきました。そして、力尽きて今に至ります。平成から令和へ。若い時のように興奮はありません。これは年齢によるものかもしれませんし、今上天皇が生前退位を決断され、あらかじめわかっているからかもしれません。ただ、最も大きな理由は、新たな時代に明るい希望を見出しにくいからなのかもしれません。

 

平成という時代、日本は、世界はどうだったか。これは様々なメディアで様々な解説がなされています。今は、それらにお任せしたいと思いますが、いずれ私の分析もお届けしたいと思います。

 

さて、今上天皇退位が4月30日、新天皇即位が5月1日と決まり、意図したものかどうかはわかりませんが、ゴールデンウィークと重ねられ、特別に「10連休」が設定されました。まあ、意図されたものなのでしょう。さらに付言すれば、統一地方選挙直後の設定も意図的ではないかと勘繰ってしまいます。改元をお祭り騒ぎにしてしまい、いろいろな懸案を見えにくくさせてしまうというか。勘ぐりすぎかもしれませんが、国民主権の憲法下、内閣が決める訳なので。なぜこの日だったのか、しっかりと情報公開し、説明責任を果たしてほしいものです。

 

さはさりながら、かくして、史上初の10連休に突入しています。父子家庭の我が家、中一の息子がずっと家にいます。三食の飯炊きが必要です。はっきり言って大変です。小さい子のいる家庭は、たぶんもっと大変です。そして、私は家で仕事、GW明けからの野菜の出荷に向けて準備が忙しく、旅行にも行けません。周辺は観光地なので、車の量は平日の何倍にも増え、普通のスーパーもBBQの買い出し客などで大混雑、なるべく外出しない方が賢明な状況です。

 

そんな中、日曜日のテレビ、TBSの報道特集をたまたま久しぶりに見ました。「10連休は歓迎されているのか」という特集をやっていました。私も同感の部分がたくさんありました。実際に10日間休める人は、全体のおよそ3割とも言われているそうです。国民の多くが正規雇用だった昭和の時代は遠く過ぎ去っていて、今や非正規雇用の働き方、請負や個人事業の方など、働き方が多様になっているわけです。時給や日給、日割で給与や報酬をもらっている人は、死活問題だそうです。それはそうですよね。

 

10連休による経済効果ももちろんあるそうですが、一部の人たちへのしわ寄せも確実にあります。みんなが恩恵を受けられるわけではない、ということは忘れないでおきたいと思います。さらに、ある専門家は、休める人と休めない人、休みたくないのに休まねばならない人、それらの人たちの間に心理的な格差が生じることも懸念すべきだと指摘していました。その通りだと思います。

 

かつて、政治の現場にいた時、役人の人たちの生活がさまざまな政策立案のベースになっていると感じることがありました。つまり、正規雇用、法令通りの休暇等がきちんととれるなどの環境がベースになっているということ。議員も、長くやればやるほど、そちらが当たり前になるような雰囲気もありました。役人の人たちはとても恵まれた環境にいるんだよ、と指摘すべきなのが議員なのに、と当時思っていました。今回の10連休の設定も、そんなことが背景にあるような気がします。

 

もしかすると、今上天皇の退位、新天皇の即位は、5月31日・6月1日がよかったのではないかと、今になって思います。統一地方選挙からも遠く、参院選にもある程度の期間を確保できるので、穏やかな改元を迎えることができたのではないでしょうか。また、この両日のみを祝日とすれば、国民の日常活動に大きな影響を及ぼさずに済んだのではないでしょうか。そんなふうに感じます。

 

連休明けの5月7日(火)、多くの人々が急に活動し始めます。金融機関関係、株式市場、コンピュータシステム、などなど。大きな混乱がないように祈るばかりです。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

     

 

 

〈お詫びと訂正〉

先に発行致しました第90号におきまして、「今上天皇」と記載すべきところを「昭和天皇」と誤って記載してしまいました。この場を借りましてお詫び申し上げますとともに、訂正させて頂きます。

 

 

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