野党の分裂に未来はあるか… 総選挙が終わり思うこと4.

 

こさいたろうの視点・論点 0027

2017/11/27

 

 

野党の分裂に未来はあるか… 総選挙が終わり思うこと4.

 

 

先の総選挙前夜、まず小池百合子氏が希望の党を電撃的に立ち上げ、「排除します」の一言から、枝野幸男氏が立憲民主党の結党を決断。参議院の民進党はそのまま残ることとなり、民進党の重鎮衆院議員は選挙後に無所属の会という院内会派を結成。

 

野党が細分化されたことで、ますます安倍自公政権一強多弱が深まったようにも見える。しかし、僕は、民進党という、自民党の受け皿であることだけが求心力の、基本政策の一本化も図れない野党第一党が存在していたことの方が、不健全な状態であったと考えている。

 

つまり、受け皿政党・民進党が四分五裂したことで、各野党の立ち位置が以前よりもわかりやすくなったものと僕は考えている。政権交代至上主義の旧民進党の重鎮を中心に、また改めて大きな野党の塊を作ろうとしているように見えるが、僕は違うと思う。

 

新しくできた野党各党は、ますます旗幟を鮮明にすべきだ。どんな日本を目指すのか、国際社会の中で日本はどう生きるのか、現在の政治の何が問題でどのように変えるべきと考えているのか、堂々と明らかにして、世に問うべきだ。

 

権力を国民から託されるのは目的ではなく、結果であるはず。自らの政見を偽りなく示し、国民の賛同が得られれば、権力が与えられる。これが民主主義政治の根幹。考え方が大きく異なる者が単に現政権打倒だけで集まっても、その欺瞞は国民に見透かされる。つまり勝てるはずはない。

 

僕は、日本の政治が健全に機能するためには、最終的には自由民主党という政党が解体され、思想信条に基づいていくつかの政党が誕生することが必要だと常々思っている。冷戦時代、保守・革新の二大政党の一翼としてできたのが自由民主党で、官僚との二人三脚でほぼ一貫して政権政党として存在してきた。

 

しかし、国際政治の環境は激変し、対抗する革新勢力はほぼ退場する結果となり、自民党という政党の存在理由がよくわからなくなっているとはいえないだろうか。また、長期にわたり権力を握っていることの弊害も顕著になってきている。森友・加計問題などわかりやすい事例だ。

 

したがって、単に安倍自民党を倒せばバラ色の未来、的な薄っぺらい行動をとるのではなく、つまり、自民対反自民・非自民のための数合わせはもう卒業して、自民党という政党のその歴史的役割を終わらせるくらいの覚悟を持ってこそ、今回の野党分裂が未来への扉を開くことにもなりうると思う。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

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