絶対高さ制限を定めよ

 

小斉太郎、一般質問より。

昨今、天空率を採用した建築物に関わる建築紛争が多い。

私のゆかりのある地域でいえば、日赤通り商栄会の真ん中に12階建ての建物が計画されている。これも天空率採用物件。既存のスカイライン、町並みからは突出した高さ。既存の最高高さは7階程度。しかも、商店街の真ん中の計画でありながら、1階部分に商店が入るスペースはない。それでも、各種法令にはかなった建築物であり、これまで町を形成してきた周辺住民は結局、その意向のほとんどを反映させられず、ほぼ計画通りの建物が出来上がる。これが、現実。

 このような事例を数多く目の当たりにする時、港区という地域、さらにその中のそれぞれの地域にふさわしい、「町のルール」が必要なのだ、との思いを強くしている。でも、「町のルール」を作るにあたって、区長の言うような「地域住民の発意と合意」を住民自身で行うのは、率直に言って困難。できる地域もあるかもしれないが、極めてレアケース。このような問題こそ、区長が音頭を取るべき。積極的に働きかけるべき。そうでなければ、事態は改善しない。

 この10年来、港区各地では、地区計画制度の活用や総合設計制度による許可を受け、さらには天空率という仕組みを受けて、まちの高層化が進んだ。はっきり言って、行き過ぎ。そう感じているのは私だけではない。だからこそ、所属を問わず、ほぼすべての会派の議員が、絶対高さ制限に言及するようになっている。

この間にも、高層ビルは増え続ける。そして、一度建ったら、実質的に何十年も更新不可能。もはや、考えている余裕はなく、決断の時。天空率採用の物件を規制するには、今のところ、「絶対高さ制限を定める高度地区」を指定するしかない。総合設計制度の物件についても、特に例外規定を設けなければ、同様。

 

質問 現時点の調査・検討状況は。

答弁 昨年度、実施自治体の調査、本年度は既存建築物調査を行い、庁内検討委員会で検討中。

 

美しいまちなみを将来世代に

 

質問 天空率採用物件をはじめ、行き過ぎた高層化が進んでいる。一度経ったら何十年も更新不可能。もはや、考えている時でなく、決断の時。絶対高さ制限導入の決意や如何に。

答弁 高層建築物が住環境や街並み景観に及ぼす影響が顕在化。高さ制限導入の必要あり。検討深める。また、区民発意による良好な景観形成が進むよう積極的に取り組む。

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