コロナ禍、持続化補助金、経営継続補助金?スポーツ事業継続支援補助金?…

 

こさいたろうの視点・論点 0150

2020/07/30

 

コロナ禍、持続化補助金、経営継続補助金?スポーツ事業継続支援補助金?…

 

コロナ禍、そのマイナスの影響を最小限に収め、事業の継続を支えるためにということで、経済産業省系の補助金が設定されています。既存の「持続化補助金」と呼ばれる制度に「コロナ特別対応型」を追加し、補助率を高めて、審査も迅速に行うというものです。

 

・サプライチェーンの毀損への対応 ・非対面型ビジネスモデルへの転換 ・テレワーク環境の整備

 

いずれかの要件に合致する投資を含むことが条件で、新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越えるために前向きな投資を行いながら販路開拓等に取り組む事業者への重点的な支援を図るというものです。

 

7月、実はこの申請準備にも時間を使っていました。もともと、ホームページの新設、ネット販売の拡充を考えており、それをコロナ禍を乗り越えるために活用したいということで、申請書を作成し、提出しました。審査に通るかは全くわかりませんが、活用できればさせて頂こうと思いました。

 

この補助金とは別に、農水省系の補助金があるという情報を生産者仲間から聞きました。「経営継続補助金」という名称でした。公募要領を読み込むと、持続化補助金とほぼ同様のスキーム。いわば、持続化補助金の農水省版。こちらは、農産物加工を共同でやろうと計画している仲間と共同申請として申請書を作成し、提出しました。

 

私は、政治に関わっていた時代、税金の使い道を正す、が旗印だったので若干の後ろめたさを感じる部分もありますが、悪さをしているわけでは全くないので、申請が通れば、政策目的に合致するよう活用させてもらいたいと思っています。そして、実際に活用する中で、補助金行政の実際に触れ、問題点があれば指摘したいと思っています。

 

ちなみに、今年はスポーツ少年団の保護者会長もしているのですが、この上部組織からも補助金資料が来ました。「スポーツ事業継続支援補助金」というもので、公募要領を見ると、なんと、上記二つの補助金と同じスキームのものでした。スポーツ少年団は営利団体ではないためもちろん申請はしませんが、驚きました。

 

同じスキームの補助金が省庁ごとに、全国縦割りで案内される社会。このままでいいとは思ってはいません。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

コロナ禍、金を配る政策、続々と

 

こさいたろうの視点・論点 0149

2020/07/29

 

 

コロナ禍、金を配る政策、続々と

 

 

私の住む山梨県北杜市では6月、市独自に8万円(地元で使える商品券5万円と現金3万円)を全市民に給付する案を市長が議会に提案しましたが、議会側の多数は「基金の大幅な減少は北杜市の財政基盤を揺るがすことになる」などとして商品券3万円分のみ給付する修正案が成立することになりました。

 

北杜市は市長も議会議員もこの秋に改選の選挙があり、選挙を背景にした駆け引きの側面も否定できませんが、いずれにしても、コロナ禍における地方自治体独自の経済対策が実施されることになります。ただ、国と違うのは、この種の経済対策のための借金はできないというところです。だから、上記にあるように「基金」という貯金を取り崩すしか、やりようがないのです。国はない袖を振れますが、北杜市は振れません。お財布にお金のある時しかできない政策で、何度もできる政策ではないわけです。

 

真水を市場に流し込むわけですから、一定の効果はあるでしょう。しかし、それは一過性で、すぐに泡となって消えていくでしょう。その意味で、税金の使い道として賢明だったのか、費用対効果はいかがか、本当に必要な施策だったのか、選挙の前に厳しい検証が必要です。

 

ちなみに、北杜市では子育て世帯に5,000円、乳幼児のいる世帯には更に15,000円の給付金を出すなど、現金給付的施策が手厚くなっています。選挙対策、との指摘はあながち間違いではないように思います。

 

北杜市の給付金施策に触れ、他の自治体の動向が気になり調べてみました。

 

最近のことで、大きな話題になっていたのは東京・千代田区。新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済活性化策として、区民全員に現金12万円を給付する方針を決定。これから議会で審議されるようですが、北杜市の施策同様、腑に落ちません。本当に経済活性化に資するのでしょうか。効果検証方法を同時に示すべきだと思いますが、きっとできないはずです。特に東京という大経済圏では。

 

なお、報道によれば、「区長の疑惑隠し」との声も紹介されています。北杜市のケースと同様、政治家の人気取りに使われている感が否めません。私が政治の現場にいる時も一部有権者や支持母体への利益誘導が疑われるような予算の使い方はありましたが、ここまで露骨に現金をばらまくようなものはなかったと思います。もう少し、恥かしそうにと言いますか、抑制的に、回りくどくやられていたように感じます。ずいぶん下品になってしまったように感じます(品がよいからいいわけではありませんが)。

 

市町村独自の給付金、さらにネット検索をかけていくと、品川区では3万円(中学生以下は5万円)の給付金が決まっているのをはじめ、1-3万円の給付は全国の多くの自治体で実施されているようです。先に述べたように、おそらく財源はいわゆる「貯金の取り崩し」だと思います。だから、貯金のある分しか、この政策は打てないのです。

 

コロナ禍における現金一律給付による経済対策、これは国が全国を対象に行うべき政策ではないでしょうか。今の法体系、国と地方の関係性、地方自治体の持つ権限からしても、一般財源を投入する現金給付政策は持続可能な政策ではないはずですし、経済への効果も極めて限定的になってしまいます。地方自治体は、もっときめ細かく、本当に困っている人たちを見極め、手を差し伸べるべきだと私は思います。

 

もらえることは有難いです、正直申し上げて。でも、その現金給付、市長の人気取り、選挙対策、住民懐柔の意味合いが強すぎないか、もっと違う税金の使い道が必要ではないか、一市民として厳しくチェックすることが求められていると思います。

 

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

 

 

 

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コロナ禍に思うこと、雑感

 

こさいたろうの視点・論点 0139

2020/06/07

 

コロナ禍に思うこと、雑感

 

「こさいたろうの視点・論点」、4月6日以来、発行が滞ってしまいました。誠に申し訳ございませんでした。今号よりしばらくの間、ペースを上げて筆を進める所存でございますので、何卒お許しくださいますよう、伏してお願い申し上げます。

 

いわゆる「コロナ禍」は収束の見通しは見えず、目に見えないウイルスを気にかけながらの毎日が続きます。発表される感染者の数字などを見ると、「少し気を付けていればかからないのではないか」とは思うものの、もしかかってしまったらそのまま隔離は嫌だなぁ、万が一命の危険にさらされても身内にも友達にも会えず一人ぼっちで逝くしかないなんて悲しすぎる、自分がかからずとも親や子や大切の人がそうなってしまったら、などと考えると、やはり念には念を入れて、「うつらない」「うつさない」を徹底したほうがいいよな、という心理が強く働いてしまいます。

 

その一方で、知り合いの飲食店主さんやホテルの経営者さん、従業員さんなどの皆さんが置かれている状況を考えると、今のままが続いて経済は本当に持ちこたえられるのか、外出自粛、往来の自粛を続けていていいのか、考えさせられます。終着点が決まっていて、その間何とか持ちこたえられればいいというのならともかく、特効薬やワクチンができない限り、人々が「うつらない」「うつさない」心理で行動してしまうことは抑えることができないわけで、かなり長期にわたり「自粛状態」が続いてしまうものと思うのです。

 

さて、本当に困ったことになりました。社会の構造を根本的に見直さねばならない、新型コロナウイルスの蔓延は、もしかするとそれを促しているのかもしれません。役所や専門家が言う「新しい生活様式」なんていうチャチな新しさではなく、もっと大掛かりな社会変革を。

 

政治家も役所も、ここぞとばかりに「金を配る」ことに走っています。不要とは言いません。当座、生活に行き詰ってしまう人たちが多く出ることが想定される中、ある程度は必要だと思います。でも、いつまで続ければいいんでしょう。いつまで続けられるんでしょう。それに言及する政治家、僕には見えません。

 

田舎の畑の傍らに、山本太郎さんの政党のポスターがあります。「金を刷れ、皆に配れ」とあります。ある程度、緊急的に行う必要はあるでしょう。でも、どれだけやるの、いつまでやるの、札を刷りまくったらあとで大変なことにはならないの、疑問だらけです。

 

ニュースによると、私の住む北杜市では、市民に一律5万円の商品券と3万円の現金を給付するのだそうですよ。さらに子育て世帯にはプラスアルファ。そりゃ、ありがたいので頂いてしまいますが、慢性的に財政難の様子の北杜市でそれだけ配って、回収の見込みはあるのでしょうか。政策目的とその効果検証の方法、財源、よく考えねばならないのではないでしょうか。もらってしまう僕に言う資格はないかもしれませんが、それでもそう思います。ちなみに、11月に北杜市長選挙が予定されています。

 

東京都知事についても、僕はどうかな、って思ってるんです、実は。確かに今は頑張っているのだと思います。感染が拡大しないように自らが声を発し、困っている人たちに手を差し伸べる施策も打っているとは思います。でも、3月の中旬過ぎまでなにをやってましたかね。小池の「こ」の字も出ていなかったように記憶しています。都知事再選に向けて、自民党本部の二階幹事長と頻繁に会って都議会自民党を抑え込む、といった動きのみが見えていたように記憶しています。東京五輪延期を決めた直後から、「感染爆発・重大局面」のボードを掲げて、突如として現れた印象しかありません。なぜもっと早く動かなかったのか。いずれよく検証されるべきだと思います。僕は、コロナ対応が遅れたことも、その後の大盤振る舞いも、自分ファーストに見えてなりません。

 

文句ばかり並べてしまいましたが、どんな状況であっても自由に批評ができる社会は維持していかねばならない。僕はそう言い聞かせながら、これからも筆をとろうと思っています。拙文ですが、お付き合い賜れば幸いです。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)