そして、変化なし

 

こさいたろうの視点・論点 0154

2020/09/23

 

そして、変化なし

 

153号を8月29日に書いてから、あっという間に一か月が経ってしまいました。この間、栽培する大豆が実を太らせ枝豆となったので、慌てて皆さんにご案内し、ご注文を受け、収穫して鋏で調整、出荷作業と忙しく過ごしました。おかげさまで、おおむね好評を頂き、安堵しています。

 

そんなわけで、この間に行われた自由民主党の総裁選挙、合併して野党第一党となる合流新党の代表選挙について、「視点・論点」にて取り上げるのが今になってしまいました。枝豆を鋏で調整する作業は一人黙々と行うため、その間の動きは流し続けているラジオから情報を得ておりました。

 

結果。自民党総裁には、安倍政治の継承を掲げる菅義偉さんが選出され、国会で指名を受け内閣総理大臣に就きました。野党第一党党首には、立憲民主党の枝野幸男さんが選ばれ、新党名も立憲民主党ということになりました。

 

政府・与党は二階幹事長・麻生副総理はじめ多くが留任。新野党も福山幹事長・安住国対委員長など主要メンバー留任となりました。8月の終わりから、それぞれの党で大騒ぎして、マスコミも大騒ぎして、総裁選・代表選が行われましたが、結局は今まで通り変化なし、というのが私の印象です。

 

菅新首相は、デジタル庁、縦割り打破、規制改革、と言っていてそれはそれで20年も前から言われ続けていることがほとんど。やってほしいですよね。でも、じゃあなぜ安倍長期政権7年8か月でできなかったのか。責任が問われる立場ですよね、安倍内閣の閣僚だったわけですから。そこ、多くの皆さん忘れてます。

 

新野党、合流新党も、安住国対継続ということは、またぞろ甲高い声でモリカケ、桜の問題などで追及し続けるのでしょう。もちろんそれは大事。逃げようとしている自民党を許してはいけない。でも、政権を取ったら何をやるのか、安心して任せられるのか、何も示されていない。国民はバカじゃないですよ。

 

今、永田町には700人以上の国会議員がいます。彼らの多くは、与野党に関わらず、変化を求めない、今まで通りでよい、という結論を出しました。あえて言わねばなりません。そんな政治家は今、日本国にとって必要なのか、と。根こそぎ不要じゃないかと。大改革には人材一新、その権能を有するのは国民のみ、そんなことを考えています。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

 

自民党総裁選を注視する

 

こさいたろうの視点・論点 0061

2018/08/22

 

自民党総裁選を注視する

 

ANN世論調査(8/18-19)、自民党の次期総裁には誰がよいかの回答。石破茂42%、安倍首相34%、野田聖子氏10%。ただ、自民党支持層に限定すると、安倍首相58%、石破氏31%、野田氏5%。

 

一方で、自民党国会議員の動向は、報道によると、主要派閥は軒並み安倍首相の支持を決めており、約70%の票を固めた形だという。

 

これらの数字に、昨今の日本政治の問題点が表れている。国会は民意を反映していないことがよくわかる。国民が安倍首相に不安や懸念・疑義を持っていても、自民党の国会議員はさほど感じていない。あるいは、別の要因で安倍首相を支持せざるを得ないのだろう。

 

そもそも選挙からして民意を反映しない制度となっていることが根本原因だ。常に指摘している通り、40%の得票で70%の議席を得ているのが国政の実態。選挙が終わると、多くの国民の声はかき消されていく。

 

さらに言えば、政党に所属し、選挙の際に公認を得ることが当選へのほぼ絶対の条件となっており、国会議員やその候補者は国民ではなく公認権を握る所属政党の幹部に顔が向くようになる。人事権も握られている。

 

ゆえに、国民の40%が次期自民党総裁には石破氏がよいのではないかと思っていても、自民党国会議員の70%は安倍首相続投を支持するという「ねじれ」が生じる。一時、「衆参のねじれ」が国政の停滞を招くといわれたことがあったが、いまや国民と国会がねじれてしまうに至ってしまった。

 

衆参のねじれは、両院がそれぞれの見識に従いお互いの決定をチェックするというメリットが少なからずある。しかし、国民と国会のねじれは、民主主義国家として大きな問題をはらむ。主権者である国民の意志とは別な方向に、権力者が政治を進めてしまう危険性がある。

 

言うまでもなく、9月の自民党総裁選挙の当選者は、次の内閣総理大臣となる。自民党の議席が過半数を大きく上回っているからそう断言できるのだが、だからと言って、自民党という乗組員グループの中だけで船長を決めて、あとの者は船長に従え、というのはいかがなものか。

 

 

 

一部の報道によると、政策テーマごとの討論を石破氏が希望しているのに対して、安倍首相サイドは消極的な姿勢だという。そのようなことがあってよいものか。

 

繰り返しになるが、今回の自民党総裁選挙は、実質的に次期総理大臣を決める選挙となる。つまり、国民全体の将来に大きく関わる選挙だ。自民党員にのみ投票の権利があるとはいえ、国民には選挙の行方を知る権利があるはずだ。

 

たとえ一票を持たないにしても、立候補者の人となりを知り、目指すべき国家像やそれを実現させる具体的政策を聞き、批判したり、あるいは支持したりする思いを表明することができてしかるべきである。

 

特に、この間の国政運営においては、モリカケ問題にとどまらず、自衛隊の日報隠し、働き方改革法案の杜撰なデータ捏造など、権力者サイドを忖度したかのような行政機関の不祥事が頻発してきた。これらをどう総括し、どのような政治責任を取り、改革していくのか、国民として見過ごすわけにはいかない。

 

また、安倍首相再選ならば憲法改正を政治日程に乗せるということのようだが、この点に関しても、9条2項を残しつつ自衛隊の存在を明記するという案、国民的議論が熟していると言えるのか。日本の将来にかかわる重大問題だけに、候補者の明確な姿勢を国民に伝えるべきだ。

 

いずれにしても、国民の意志を置き去りにした政治にならぬよう、あきらめずに注視し続けることが重要だと考えている。さらには、民意を反映する政治システムへの改変にも思いを致す時期に来ていると思う。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

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