二階幹事長と小池都知事

 

こさいたろうの視点・論点 0085

2019/03/08

 

 

二階幹事長と小池都知事

 

 

このお二人がいまだに政治ニュースの上位を飾る世の中。もちろん政治的手腕に長けておられるのが第一の理由でしょうが、実は日本社会が変革を遂げていないことを証明しているような気がします。変わらない、古い政治風土の中で生き残ってきた二人の政治家、と私には見えます。

 

二階さんはもともとは自民党・田中派。小沢一郎さんと行動を共にして離党するものの、その後は小沢氏と袂を分かち、保守党という小政党をつくり自民党との連立を経て、とうとう自民党に復党します。そして伊吹派を継承し、ついに派閥の領袖となり、党ナンバー2の幹事長まで上り詰めます。

 

小池さんはもともと細川元首相が立ち上げた日本新党の参院議員となり、その後衆院鞍替え。その後は二階さんと同じ歩みを経て、自民党入り。当時の小泉首相に登用され、環境大臣、防衛大臣を歴任。その後、不遇の身となるが、舛添氏失脚後の東京都知事選挙に出馬。自民党・東京都連を敵と見立てる選挙戦略を駆使し当選。翌年の都議選では自ら代表の政治団体・都民ファーストが圧勝。飛ぶ鳥を落とす勢いだったものの、国政進出を図るも大失敗し、今に至ります。

 

この二人、一人の政治家としては長年をかけて階段をのぼり、栄達を極めたといえるのですが、いったい何がやりたかったのか、今も何を目指しているのかが見えないという点で共通していると思います。小池氏に関して言えば、東京都知事を目指す際の公約やその後の都議選での取り組みなどを見ると、この時のために、政治を大きく変革させるために政治家としての力を蓄えてきたのかとも思ったものですが、国政に打って出ようとした際に馬脚を現し、すべてを失ってしまったような気がします。その時に期待した私、騙されたような気がしています。私ごときはともかくも、深く関わりかけた小沢一郎さんも、原発ゼロ政策に期待をかけた小泉純一郎さんも、かつてのボス細川護熙元首相も、まんまと騙されていたように見えました。失礼ながら。

 

そんな小池さんは今窮地に立たされています。築地市場跡地の再開発、選挙時の公約から大きく方針が転換されているではないかと、特に都議会自民党から攻め立てられています。長年にわたり同じような道を歩んできた小池氏の窮地を見て、二階氏が助け舟を出したのだと私は思います。まあ、盟友関係、あるいは師弟関係なのかもしれません。

 

ただ、二階さんがもっと若く、政治的余命もまだまだある時期であれば、このような発言を軽率にはしなかったような気がします。もっと全体を俯瞰することができたのではないかと。仲間である東京自民党が小池さんと戦っているさなかに「次の都知事は小池しかいない」なんて言うでしょうか。二階さんの大幹事長たる傲りとともに、老いも関係しているように私は思いました。

 

     

 

「驕れる者は久しからず、盛者必衰の理をあらわす」、有名な平家物語の一節です。自民党一強、安倍一強の政治体制がすでに6年続き、傲り、弛み、腐敗、綻び、至るところに見えるような気がします。いうまでもなく、権力は永遠に継続はしません。

 

評論をする者は、そういった現権力の批判を怠ってはならないし、追及し続けるべきであります。ただ、政治を担う者は今や批判に時間を割くべき時ではなく、現権力に変わり何を目指し、何を為そうとしているのか、主権者に訴えかける時だと思うのです。

 

受け皿を作るから、安倍政権を倒しましょう!といっても、その先がどうなるのか全く見えないのであれば、危なっかしくて任せるわけにはいかないではないですか。これをわかっている政治家が、今全く見当たらないのが残念でなりません。無名でもいいからそれを示せる人物がいれば、それに賛同できれば、一緒に行動したいです。

 

先日の二階幹事長発言を聞いて、こんなふうに思いが広がってしまいました。二階さん、小池さんの時代が去った後は、政治の大変革時代を作らねばならないと思うのです。

 

 

 

農夫 こさいたろう

(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

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