古い政治に逆戻りの様子

 

こさいたろうの視点・論点 0083

2019/02/16

 

 

古い政治に逆戻りの様子

 

     

 

私の住む山梨県では、明日から県知事交代、新しい知事が就任します。長崎幸太郎さん。「停滞から前進へ」をキャッチフレーズに選挙戦を展開。県民多数の支持を獲得し当選されました。

 

財務官僚から自民党衆院議員、知事選に出馬時は落選されていました。国とのパイプを強く強調。中央省庁や政権与党と連携した県政運営を図る、として、国からの補助金や交付金などの「カネ」を引き出すのだといいます。

 

そのため、知事就任後も与党・自民党を離党せず、自民党籍を維持するとのこと。「与党のインナーサークルに入っていることで国の協力が得やすい」のだといいます。違和感、感じませんでしょうか。私だけでしょうか。

 

私が政治の世界に足を踏み入れたころ、今から30年ほど前になりますが、そのころの知事選や市町村長選挙といえば、国とのパイプを強調した官僚出身候補者が公共事業で地域を潤す、などと主張し支持を得る形が主流でした。

 

しかし、中央集権社会による中央依存の政治で本当にいいのか、地元のリーダーが官僚の天下り先でいいのか、日本全国・金太郎飴のようなまちづくりでいいのか、永遠に右肩上がり経済を信じて公共事業を積み重ねていいのか。

 

そんな問題提起の声が大きくなっていました。「地域のことは地域で決める」、地方分権の必要性が声高に叫ばれ始めていました。当時、私もそのような主張に賛同し、住まいしている地方自治に参画しようと決めたものです。

 

地方自治の現場に議員として参画させてもらい、国・地方のピラミッド構造、それを所与のものと考える古い議員や役人もいましたが、地方分権の必要性を否定する人はいなかったように記憶しています。

 

その後、地方分権一括法も施行され、不十分ながらも地方分権は進展していきました。そして、私が国政選挙に挑戦したころは、道州制導入などの議論も高まりました。国から地方に財源や権限を移し、より高い地方自治権を与えるという構想でした。道州制についての賛否はあったものの、さらに地方分権を推進すべきというのが大方の流れでした。10年もたたぬ前の話です。

 

しかし、6年余り前、民主党政権の大失敗の結果、自民党・安倍政権が誕生し、政治の流れは大きく変わっていきました。「地方分権」などという言葉は全く聞かなくなった気がします。

 

その一方で、田舎にいて農業現場に携わっていると、国の制度やしくみに従って税金が湯水のように使われる様子が否応なく目に飛び込んできます。全部が無駄とは言いませんが、「カネを配る政治」そのものです。

 

安倍政権になり、大胆な金融政策などによって税収が大きく増えましたが、その一方で支出も大きく増えました。財政出動という名のバラマキ。金を配れば、そこに上下関係が生まれます。古い時代への逆戻り。こんな背景の下、山梨県の新知事が誕生したものと言えます。

 

でも、私はこれは日本の進むべき方向ではないと確信します。国が地方の優位に立ち、思うがままにコントロールできる社会は必ず弊害を引き起こすと思うのです。

 

現に、先日、自民執行部党が所属国会議員に対し、地元の自治体が自衛隊の隊員募集に協力するよう働きかけろ、という主旨の通達を発し、波紋を呼んでいます。身内の自民党議員からも懸念の声が上がっているといいます。上意下達でコントロールを強める一例とは言えないでしょうか。社会の末端まで戦争協力を強いた先の戦争をも想起してしまうのは私だけでしょうか。

 

こんな観点からも、私は自らの住む山梨県政を注視してみたいと思っています。

 

それにしても「与党のインナーサークルに入ることで国の協力が得やすい」とおっしゃる新知事、自民党が与党でなくなったら新たな与党に入るのでしょうか、それとも仕事ができなくなるからやめるというのでしょうか。きっと、自民党が未来永劫与党の立場であることが当たり前、と思っておられるのでしょう。

 

果たして日本はそんな国に成り下がるのか。これからの主権者の思い一つなのだと思います。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

 

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