山梨県知事選挙の結果から考えること

 

こさいたろうの視点・論点 0082

2019/01/31

 

 

山梨県知事選挙の結果から考えること

 

 

先の日曜日、山梨県知事選挙の結果が出ました。自民党・公明党推薦の新人、長崎幸太郎氏が198,047票を獲得し、初当選を果たしました。投票率は57.93%と比較的高く、長崎氏の得票率は49.7%、現職の後藤斎氏に3万票以上の差をつける完勝でした。私の直感は、当たってしまいました。

 

今年は12年に一度の亥年。春に統一地方選挙、夏に参議院議員選挙が必ず行われる選挙イヤー。山梨県知事選挙は、その口火を切る選挙として、また、国政の与野党が対決する構図でもあり、全国的に注目の選挙でありました。そして、政権与党サイドが勝利をもぎ取っていきました。

 

地に根を張った自民党に盤石の組織票を持つ公明党が加わると、やはり強いです。しかも、今回の出口調査の結果を見ると、無党派層の約40%が長崎氏に投票しているとのこと。これでは、野党サイドの勝ち目はありません。つまり、自公が強いということとは別に、野党への期待は全く膨らんでいないと僕は読み取ります。

 

     

なぜか。「違いがない」あるいは「違いが見えない」からだと僕は思います。例えば、「人口減少対策」。長崎氏も後藤氏も重点政策です。でも、どこをどう見ても決定打となる具体策は見当たりません。日本全体の出生率を見れば明らかです。それでも、何とかすると公約するところにまやかしがあります。

 

減少の傾向をできる限り緩やかにする。つまり、当面の人口減少は受け入れざるを得ない、という立場に立って初めて、政治家の主張が説得力を持つのではないでしょうか。人口減少を緩やかにする具体策と数値目標を明示するとともに、長期的に人口減少を食い止める方策を示す。そういう姿勢が求められると思うのです。

 

リニア新幹線や中部横断自動車道の開通を経済活性化に結び付ける。こういった主張も、長崎氏、後藤氏共通です。それは、いくらかの効果はあるでしょう。でも、これだけをもってバラ色の未来が拓かれるでしょうか。そんなふうに思っている県民は少数だと思います。むしろ、そういったナショナルプロジェクトに頼らない目標設定が求められると思います。

 

つまり、国政の与野党が分かれて戦う構図であっても、訴えている内容や目指すべき方向はほとんど違いがない。勝ち馬を応援した方が、向こう四年間多少いい思いをする、そんな程度のもののような気がします。日々苦労して生きている庶民にとっては「そんな程度」も大事なことであることに違いないのですが。もっと大きい利権を手にする人たちもいると思います。

 

国政野党には、ここのところを深く考えてほしい。安倍自民党の不祥事を責め立てるのは結構ですが、その代わりに政権を担えるという姿をしっかりと見せてほしい。自民党がダメだから野党に。野党勢力が一本化すれば政権が転がり込んでくる。そんなふうに思っていたら、未来永劫、政権交代は起こりません。

 

少子化、超高齢化。人口減少社会。増え続ける借金、危機的財政状況。経済成長の実感が得られない社会。中国の台頭。米中関係の悪化。成長するアジア諸国。自国第一主義に立つ米国。日本を取り巻く内外情勢を踏まえ、自民党に代わってどんな社会を目指すのか。そのための具体策は何か。それを示せない限り、多くの国民からの期待と信頼は獲得できません。示せないなら、政界から退場すべきだと思います。今、野党を構成している議員がいなくなっても、自民党から二つの潮流が生まれてくるであろうし、あるいは、しがらみのない人材が中心となる全く新しい政治勢力が必ずや誕生するのだと思います。

 

今のままの野党。今までの応援団を引きずっている野党。代り映えしない、政権交代時の失敗の責任も取らない国会議員が指導的役割を果たす野党。政権交代のみを目標として尖ったことの言えない、物分かりのよい野党。そして、夢と希望ある日本の方向性とその具体策を示さない野党。こんな野党が存在する限り、残念ながら当面日本は変わらないと失望せざるを得ません。山梨県知事選挙の結果から、改めて強く思います。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

 

 

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