これからの災害 復旧にとどまるだけでいいのか

 

こさいたろうの視点・論点 0064

2018/09/09

 

これからの災害 復旧にとどまるだけでいいのか

 

9月6日、北海道で大地震が発生した。その二日前には、関西から北陸にかけて激烈な台風が上陸。改めて、わが日本は自然災害から免れぬ運命であることを痛感させられる。

 

まずは、無情にも命を落とされた方々に心より哀悼の意を表するとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げたい。一日も早く平穏な日常を取り戻されるよう祈るばかりである。

 

 

2018年、まだ四か月残っているものの、すでに多数の自然災害が頻発する年となってしまっている。

 

北海道の地震、先の台風上陸に加え、冬の豪雪、1月の草津白根山噴火、4月の島根県西部地震、5月の霧島山・新燃岳噴火、6月の大阪府北部地震、7月の西日本豪雨など枚挙に暇ない。夏の殺人的猛暑も激烈な自然災害に数えるべきかもしれない。

 

あまりにたくさんの災害がありすぎて、新たな災害が起きると、以前の災害の記憶は急速に薄れていってしまう。旧知のテーラー経営者の方はFacebookで「店頭での義援金、今年は何回送金先を代えることになるのでしょうか」と投稿されていた。

 

昨年の干支は60年に1度巡ってくる丁酉(ひのと・とり)で、昔からこの年には自然災害が頻発するといわれてきたそうだ。それが一年遅れてやってきたとネット上では話題だ。そんないわれがあるほどに、日本は自然災害が起きやすい地域なのだと再認識しなければならない。

 

今のところ人間には制御不能である。地震も噴火も台風も、寒さや暑さも、止めたりコントロールしたりすることはできない。適当な言葉とは言えないが、これからはいかにうまく付き合い、やり過ごし、最低限命だけは守るということではないかと僕は思っている。

 

報道によると、今回の北海道大地震と西日本の台風災害を受け、補正予算案の編成方針を決めたとのこと。関係者は総額一兆円を超える規模になる可能性に言及しているという。

 

一日も早く人々が日常の生活に戻れるように取り組むこと、もちろんこれには反対しないし、迅速にやってもらいたい。ただ「復旧」という言葉が示すような「元に戻す」という対応を繰り返すことだけで本当によいのだろうか。

 

数年前、山梨でも大雪害があった。数多くの農業用ハウスが倒壊した。それらの撤去と建て替えには補助金が充てられた。償却年数がとっくに終わった古びたハウスが、雪害の後、ほとんど自己負担なく新品に置き換わったことを私は実際に目の当たりにした。

 

当時、北関東から長野県中部にかけて雪害地域に同様に適用された。充てられた税金の総額はいかほどになるのだろうか。自然災害が起きるたびに、同じような税金投入を続けることはできるのだろうか。私はかなり悲観的にならざるを得ない。

 

自然災害はいつかどこかで必ずやってくることを前提として、新たな国づくり、地域づくりをしていく必要があるのではないだろうか。住む場所も、建物の形状も、産業のあり方も、命だけは守れるように、建物や公共インフラは被害にあってもすぐに更新できるように、長い年月をかけても置き換えていくべきだと思う。

 

それには、長期的視点による計画が必要である。その昔、関東大震災後、復興院総裁となった後藤新平は「地震は何度でもやってくる」「大きな被害を出さないため公園と道路をつくる」と、国家の百年後を見据えた大構想をぶち上げる。

 

幅員100メートルの幹線道路や広大な緑地帯を、皇居を中心に環状に配する。学校と公園を一体整備し、地域の防火・避難エリアとする。環状道路や都心の一部学校、砧緑地などにその名残がある。まさに未来を見据えた大構想だった。

 

結果としては、地主やそれらを基盤とする既成政治家の大抵抗にあい、計画は大幅縮小、後藤構想とは似て非なるものとなってしまうのだが、今こそ、日本国全土にわたってそんな大構想が必要ではないだろうか。

 

しかし、その逆に政治はどんどん小粒になり下がってしまっている。目先の金をわが選挙区に引っ張ることで自らの選挙を有利に進めたい、政治の多くの動きがそんな風に見えてならない。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

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