森友・公文書改ざん 政局のゆくえ

 

こさいたろうの視点・論点 0043

2018/03/27

 

 

森友・公文書改ざん政局のゆくえ

 

 

ほぼ毎週「こさいたろうの視点・論点」と銘打ち、私の拙文の発信を続けておりますが、3月21日、読者の方からこのようなご質問を頂戴いたしました。

 

『小斉さんは騒動中の問題については、どのような進展をすると…?予測しておりますか… お聞かせ下さい!』

 

それに対して、私はこのようにお答えしました。

 

政局の予測ですが、山が動き出しているような気がします。公明党の態度が変化してきているのと、おそらくそれに合わせて自民党内の風向きも変わってきているように見えますね。安倍首相の求心力が急速に低下する可能性が高い気がします。

 

公明党はそもそも、安倍改憲に消極的だったので、来年の統一選に向けて、できれば改憲を政治日程から外したいと思っている節があり、首のすげ替えは渡りに船だったのかもしれません。

 

二階氏は、自公政権の安定が重要なので、公明党の意向も踏まえて、世論に逆らわない形にしたいのではないでしょうか。

 

麻生氏は、なんで自分に火の粉が飛んでくるのかと思っている節があり、辞めるにしても自分だけが辞めることに不満があるのではないかと思います。菅官房長官との確執が影響を及ぼす可能性がありそうです。

 

あとは、証人喚問で佐川氏がどこまで何を話すか、が当面の最大のポイントだと思います。佐川氏は、自分だけがすべてを背負わされて幕引きされることに難色を示しているとも噂されているので注目です。ただ、「刑事訴追の恐れがあるため答弁は差し控える」で逃げ切ろうとすれば、野党側は、「真相究明のため」として、安倍あきえ氏、契約当時の理財局長などの証人喚問、さらには籠池氏への出張喚問も言い出してきて、収拾がつかなくなるものと思います。世論の大勢は、それに賛成するはずですし。

 

でも、もし総辞職するにしても、辞め時、辞めさせ時が難しいのもありますよね。安倍氏が辞めても、問題は残るわけで、辞めたから終わりという小さな案件ではありませんし。

 

また、おなかが痛くなる可能性もあるかも…

 

 

 

そして、今日〈3月27日〉、国会において佐川氏への証人喚問が行われています。時間をつくり、参議院の証人喚問をNHKテレビ中継ですべて見ました。今は、衆議院の証人喚問を見ながら本稿を執筆しております。

 

参議院の証人喚問では、案の定、肝心な部分はすべて証言拒否でした。官僚の矜持を示し、自らの刑事訴追を覚悟で真実を述べてくれるのではないかと淡い期待もありましたが、やはりダメでした。本当のことを話せば、自らにとどまらない広範な影響が及ぶからではないかと、私は推察しています。

 

その上で佐川氏は、総理・総理夫人からの影響について、「私の勉強した範囲では、ない」と発言しました。在任中には関与は確認できていない、という主旨の発言もしました。これは、裏を返せば、それ以前の事情は知らないよ、ということを殊更強調しているように聞こえます。本事案について一貫して影響を受けていないとは、言っていない訳です。佐川氏が理財局長に就任した時期は、契約締結が確定した後のこと。公文書改ざんのキーマンは佐川氏であるものの、森友事件そのもののキーマンは佐川氏でなく、契約交渉に至る過程の者なのではないか、という疑惑がさらに深まったように感じます。

 

公文書を改ざんしてまで何を守ろうとしたのか、何を隠そうとしたのか、それは誰がやったのか、誰かが圧力をかけたのか、あるいは誰かを忖度したのか、さらにはこのようなことが恒常的に行われていたのではないか、闇が深まるばかりの証人喚問です。

 

このような事件の真相究明すらできず、うやむやなまま幕が引かれるようなことがあれば、国民と政治・行政との信頼関係は地に落ち、日本は民主主義国家として成り立たなくなってしまいます。大げさでなく、極めて危機的状況を招来します。

 

一部、もっと大事なことを国会で議論すべきだ、野党の政局パフォーマンスだ、というような声もありますが、まったく当たりません。国会で虚偽の発言をする、公文書を改ざんしてしまう、その疑いがかけられても証言を拒否する、こんな状況そのものが異常であり、必ず真相を明らかにしなければならない、森友案件は最重要案件だと、証人喚問を受けて私は改めて強く思います。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

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