子ども食堂のこと〈アルマーニ制服問題から考える〉

こさいたろうの視点・論点 0039

2018/02/27

 

 

アルマーニの制服を採用する学校教育がある一方で、増える子ども食堂

 

前回の「小斉太郎の視点・論点」では、「アルマーニの制服と名門校」という拙文を発信させて頂きました。それを読んでくれた旧知の女性から、以下のようなご意見を頂きました。

 

『今回の泰明小の標準服問題。ブランドだの、高いだの。そうしたキャッチフレーズから脱却して、さらにもう一段問題を深掘りする議論がされるべきです。義務教育無償と言われていますが、実際は、制服(標準服も含め)、副教材費や部活費用にPTA費など、進学時には約20~30万円かかりますし、給食費もあります。実態は、多くの保護者にとって、有償義務教育です。アルマーニだから買えない家庭を想像するなら、普通のノーブランドの制服他一式も、同じ時期に一度に数万円から十万以上の支出となるため買えないまたはカードローンで買う世帯の事は、なぜ想像しないのでしょう。アルマーニを値段で批判するより、義務教育課程での制服採用の適否や、高過ぎる副教材費等について語って欲しい。』

 

また、私の住む地域の地方紙・山梨日日新聞に、アルマーニ制服問題に関連して、以下のような寄稿を見つけました。制服の高額化を受けて制服をリサイクルするために立ち上がったNPO法人ユニフォームリサイクリングリンクの坂本事務局長の寄稿です。

 

『山梨県内の高校でもブレザー導入でベストやネクタイなどのパーツが増えていること、ワイシャツやポロシャツ、セーター、靴までが学校指定になっていることなどから、ジャージなどを合わせて経済負担は10万円以上になっています。全国の学校で制服のブランド化が進んでいます。』

 

寄稿によると、去る1月に初めてのリサイクル制服販売会を行ったそうですが、旧型の制服を組み合わせて販売したそうです。その際に『標準学生服(学ラン)にもかかわらず、上着の裏やズボンに校章の刺しゅうがあり、「登校時に校門の前で先生がチェックし交渉が入っていないと学校内に入れてくれない中学がある」との訴え』があったそうです。これは、指定の店から買わなきゃダメということですね。

 

名門公立小学校がアルマーニの制服を採用する背景、エリート意識の固定化やそれを公立学校が追求しているという社会矛盾、家庭の経済環境による排除の論理などが内包されていることは前回記した通りですが、明らかになったアルマーニ制服問題は、制服そのものの必要性とともに、教育に関わる負担は如何にあるべきかという大きな課題を改めて投げかけているともいえます。

 

教育に関わる自己負担、親の負担。我が子のことだから当たり前、と議論を封じてしまってよいのでしょうか。指定の制服でないと学校に入れない事例や、必ず購入しなければならない指定の副教材などがあることは、大人の経済活動が最優先されていると勘ぐらざるを得ません。学習塾・予備校に通うことが当たり前になっている日本社会の現状も同様といえます。ツイッターでこんなコメントを寄せてくれた人もいます。『疑うべきは、学校長と業者の癒着でしょう。生徒数が300人強の安定した顧客がおり、毎年約8万の商品が売れるのです。有る程度のキックバックが有っても不思議はない』

 

一方で、安倍自民党政権は昨秋の衆議院解散時、突如として「消費税増税分を教育無償化に充てる」と言い出しました。同じ党の石破茂氏もラジオでそのことを知り、『党内でそんな話は聞いたことがなく、ひっくり返って驚いた』と述べているように、日本の教育をどうするかというグランドデザインは議論もされずに、その時々の社会の空気によって弥縫されていく様は明らかです。

 

日本の教育はどうあるべきなのか。まず、この大命題から目を背けずに国民的議論を行なう中で、教育に関わる負担、どこまでを公費で賄うべきなのかを考えていく必要があると本当に思います。冬の受験シーズンになるとテレビで「受験生の皆さん、頑張って下さいね」というアナウンサーの定番の台詞を聞くたびに、受験がゴールの日本教育、そのために当たり前のように塾に通う子どもたちの環境がこのままでいいのか、すべて現実を生きる大人の論理で維持・継続されている気がして、私の気持ちは深く沈みます。私は、多様な教育、自由に作れる学校、選べる教育、子ども一人ひとりに等しく教育費用を公費負担する、これが教育改革のキーワードだと今でも思っています。次回以降に、改めて論じてみたいと思います。

 

 

 

さて、アルマーニの制服を採用することがニュースになっているその裏側では、楽しいはずの食事を淋しく一人で摂らねばならない子どもや満足に勉強する環境を持てない子どもがいます。

 

「子ども食堂」、報道によって、あるいは何人かの知り合いの地方議員さんが取り組んでいることを風の噂で聞いたりすることもあり、そういう取り組みが全国各地で行なわれていることを知ってはいました。身近ではなかったのですが、昨秋、私が卒業した中学・高校の校友会から連絡をもらい、20年ほど上の先輩が「子ども食堂」の活動に取り組んでいることを知りました。その先輩はわざわざ山梨まで足を運んでくれて、子ども食堂を始めた経緯やその内容を説明して下さいました。

 

その先輩の始めた子ども食堂は、子どもの費用負担なしで、ケータリングのお弁当を提供しつつ、子どもたちに勉強を教えるということが主眼です。先輩の話を聞いてからいろいろ調べたのですが、一口に「子ども食堂」といっても、手作りの食事を提供することに重きを置いているところもあれば、少額の負担を求めるところもあったり、さまざまなようです。それぞれに意義あるものと思います。私は、先輩から直接お話を伺い、「少なくとも10年以上続けて、子どもたちが専門技術や資格を得て自立するところまで見届けていきたい」との強い思いに共感致しました。

 

詳細は、以下のホームページや新聞記事をご参照頂ければと思います。

 

また、最後に、先輩からのお願い文も掲載致しますので、このような活動にご賛同、ご共感下さる方がおられましたら、ぜひご協力、取り組みに参加して頂ければ幸いです。ご関心をお寄せ頂けます際は、私あてにご連絡下さい。「かわさき寺子屋食堂」の竹岸章をご紹介させて頂きます。

 

社会全体で未来を担う子どもたちを支える、税金で支える土台部分があり、その周辺でそこからもこぼれ落ちそうな子どもたちや子どもたちの多様な興味や関心を引き出すような活動が支え合いの精神で行なわれている、そんな日本になればいいな、と強く思います。

 

〈竹岸理事長からのお願い文〉

 

子どもの貧困にご興味をお持ちの皆様へ

お願い

 

拝啓 本格的な冬の到来となりましたが、皆様方におかれましては益々御隆昌のことと存じ上げます。

さてこの度私どもは子どもの貧困を解決する一助となるべく、NPO法人川崎寺子屋食堂を開設致しました。このNPO法人は川崎市多摩区の2教場で週2日ずつ経済的に恵まれない子ども達を支援するため、無償で食事と学習指導を提供していくものでございます。私どもは子どもの貧困がもたらす経済的な損失や、社会的な軋轢を、先手を打って防ぐための活動を目指しております(詳しくはホームページhttp:;//terakoya.or.jp/をご高覧願います)。

お陰様で全国から熱いご支援を賜っておりますが、認定NPO法人になるためにはもう一回り大きなご支援の輪を必要としております。と申しますのは寄付金の所得税控除が認められる認定NPOの条件として、2年連続で3000円以上の寄付する方が100人以上必要となっているのでございます。

誠に勝手なお願いで恐縮でございますが、明るい未来を子ども達に持たせるためにご協力を賜りたく、心よりお願い申し上げます。

敬具

特定非営利活動法人川崎寺子屋食堂  理事長 竹岸 章

 

 

※ ご賛同頂ける皆様、ご関心お寄せ頂いた皆様、ご質問等は小斉太郎までご連絡ください。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

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