「最初が肝心、都政改革」

こさいたろうの視点・論点 0008

2017/07/25

 

「最初が肝心、都政改革」

 

都民ファーストの会の躍進により、古い慣例などで阻まれていた様々な改革を実現させる環境はできました。あとはやるか、やらないか、のみ。果敢に挑む中での多少の失敗は、変化を期待して投票した多くの有権者も納得してくれるはず。何もやらない、今までと同じ、が最も大きな失望を招くことになります。

 

最初が肝心です。今回の選挙結果から読み取れる東京都民の意思は、大改革です。そうでなければこんな結果になるはずがありません。したがって、冒頭から慣例を打ち破る覚悟と、都民に見えるような動きが絶対に必要です。僕の期待をいくつか記しておきたいと思います。

 

  • 正副議長や委員長ポストなどの選挙「見える化」を

 

よくあるパターンは、第一会派から議長、第二会派から副議長、これで思考停止しちゃうわけです。あとは、当該の会派の中で適任者を決めてね、となります。だから、新人議員などは何だかわからないうちに、本会議場で「異議ナーシ」という声とともに、議会のトップが決まることになります。また、水面下での調整が失敗すると「投票だー」ということになり、これまたよくわからないうちに紙が回ってきて、「この名前を書け」「字を間違えるな」と。僕はいつも、これじゃあダメだなぁ、と思ってきました。時に、議長に相応しくない人材であっても会派の都合で選ばれてしまうことがありますし、何より主権者である住民には全く見えないんですよね、選出の過程が。

 

だから、きちんと正副議長選挙を行う。選挙の前には、候補者はその意志を公表して、本会議場で堂々と所信を語ってもらう。議長として何ができるか、何をしたいか、明らかにするということです。それを確認した上で、全議員が投票して議長を選出する。民主主義社会では、当たり前のことではないでしょうか。

 

「水面下」「裏取引」、そういったものを取り除いていくことが、今回の選挙結果に応えることのはず。言うだけでなく、やってほしいです。開かれた議会の実現を。

 

  • 議員特権の返上を

 

だいたい、議会改革は全会一致が原則、とか言って、選挙が終わっても協議する検討会のようなものを作り、亀のような歩みで議論を進め、次の選挙が近づく頃に、申し訳程度の成果を見せる。都議会だけということでなく、多くの議会の改革実態ってこんな感じだと思います。だから、いつまでたっても、議員報酬を多すぎないか、政務活動費って第二報酬じゃないのか、費用弁償ってさらにお金もらうのか、といった住民からの不信感が払拭できないわけです。僕もその昔、地元の若い人と飲みに行くと「政務活動費でおごってよ」なんて冗談をよく言われました。

 

検討委員会を設置し議論、なんていう今までと同じ甘っちょろいことは、都民は求めていません。選挙結果からも明白。議会の構成を見ても、万が一反対しそうなのは自民党くらいです。反対するようなら、世論に問いかければいいだけです。

 

・ 公用車使用の完全自粛(のちに廃止制度化へ)

・ 登庁時の費用弁償支払い一時停止(のちに原則廃止制度化へ)

・ 報酬削減の継続

・ 政務活動費・使途を全面自主的公開(毎月1円単位で)

 

これくらいは、都民ファーストから各会派に呼び掛けてすぐにでもできるはず。反対する会派や議員があれば、公表して差し上げればよいと思いますよ。「条例を作ってから」なんて言い訳は、この選挙結果を受けてもう通用しませんよ~。

 

  • 知事附属機関等への議会選出の凍結

 

実は、改選後の議会冒頭で手掛ける、最も重要なテーマだと思っています。

 

知事や市長などの執行機関は、その事務について審査や調査などのために審議会や検討委員会といった組織を設けています。これらを附属機関と呼びます。附属機関等は、執行機関の諮問的な性格を有し、政策立案の一翼を担っています。

 

一方で、議会は条例制定権を有していて、独自に政策を具現化することができます。議会は行政事務の検査及び調査権を有していて、執行機関のチェック機能を果たすことが求められています。

 

知事や市長の政策立案過程に議員が参加するということは、議会の形骸化を招き、チェック機能の低下にもつながりかねません。議会は、議会の場で活動すべきで、そのための大きな権能も有しているわけです。

 

行政に取り込まれる議会からの脱却を図ることは、議会改革の大きな柱だと思います。附属機関の委員になって、好きに発言し、仕事をした気になっている。また、その立場を利用して影響力を行使する。そんな議員のあり方を変えるチャンスだと思うのです。「凍結」、ぜひ実現させてほしいです。

 

  • のり弁廃止や利権一掃に向けて

 

都民ファーストの会では、条例制定を公約にしていますが、すぐにできることがあると思っています。

 

のり弁とは、情報公開時の黒塗りのことですが、これを原則やめようというのは、知事も同じ方向を向いています。したがって、議会意思として知事に対して、都政情報の原則公開の徹底を公式に申し入れるパフォーマンスくらいすべきです。本会議場で、議事録に残る形で行うべきだと思います。

 

また、利権一掃に向けては、まずは議員と職員のやり取りをすべて記録に残し、公開するくらいのことはすぐにできるはず。これも、知事は同じ方向を向いていると思いますので、実施を知事に申し入れる。さまざまな相談や、打ち合わせ、すべて記録に残し、頼まれなくても公開する。これをするだけで、かなりの効果があると思います。その上で、じっくり条例づくりをすればいいと思います。

 

いかがでしょうか。

改選後初の臨時議会、秋の定例議会で真価が問われると思います。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

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