港区議会・小斉太郎の一般質問(全文)
9/17、本会議場で質問いたしました。
テーマは、「建物の絶対高さ制限の導入」と「管理職員の天下り」です。
以下は、準備した内容につき、実際の発言とは若干異なります。また、質問に対する答弁は、後刻掲載します。
絶対高さ制限の導入について
「絶対高さ制限」に関する調査ならびに検討はどのような状況でしょうか。
昨年7月の建設常任委員会で、私・小斉太郎の質問に対し、担当参事より、「港区としてどんな高さ制限がふさわしいか、可能な限り早い時期に港区としての高さ制限のあり方について示し、もっと拘束力のある規定を作っていきたいという形で、検討に入っている状況」と答弁がありました。
また、その後、昨年のちょうどこの時期、自民党の結城議員の質問に対し、「高さ制限に関しては、他区の高さ制限の運用状況の調査や既存建築物の実態調査などの結果を踏まえた上で、区民の意向を把握しながらふさわしい高さ制限のあり方を検討していく」との区長答弁もありました。
さらに、昨年の決算特別委員会の審議においては、共産党の猪熊議員の質問に対し、担当参事より、「絶対高さ制限を定める高度地区を含め、港区にふさわしい高さ制限のあり方について、調査等を進めている。検討にあたっては、絶対高さ制限を導入している周辺区の運用状況調査をはじめ、地域の特性や既存建築物の実態調査などを行う」と答弁がありました。
これらの表明があってから一年が経ちました。現時点での調査・検討状況を明らかにして下さい。
最近、天空率を採用した建築物に関わる建築紛争が多くなってきたような気がします。私のゆかりのある地域でいえば、日赤通り商栄会の真ん中に12階建ての建物が計画されているそうです。これも天空率採用物件。既存のスカイライン、町並みからは突出した高さです。既存の最高高さは7階程度。しかも、商店街の真ん中の計画でありながら、1階部分に商店が入るスペースはありません。それでも、各種法令にはかなった建築物であり、これまで町を形成してきた周辺住民は結局、その意向のほとんどを反映させられず、ほぼ計画通りの建物が出来上がる。それが、現実です。
このような事例を数多く目の当たりにする時、港区という地域、さらにその中のそれぞれの地域にふさわしい、「町のルール」が必要なのだ、との思いを強くします。
でも、「町のルール」を作るにあたって、区長の言うような「地域住民の発意と合意」を住民自身で行うのは、率直に言って困難です。できる地域もなかにはあるかもしれませんが、極めてレアケースなはずです。このような問題こそ、区長が音頭を取って下さい。積極的に働きかけて下さい。そうでなければ、事態は改善致しません。
この10年来、港区各地では、地区計画制度の活用により、総合設計制度による許可を受け、さらには天空率という仕組みを受けて、まちの高層化が図られてきました。確かに、全てが町並みを崩し、景観を損ねているとはいえないでしょう。しかし、はっきり言って、行き過ぎです。そう感じているのは私だけではない。だからこそ、所属を問わず、ほぼすべての会派の議員が、絶対高さ制限に言及するようになっているのではないでしょうか。
私権制限などの関係からも役所を慎重にならざるを得ない側面もあるのでしょうが、その間にも、高層ビルは増え続けます。特に、天空率採用の建物は劇的に増えています。日赤通りの事例も話しましたが、突出した高さで町並みを壊してしまう可能性が非常に高い。そして、一度建ったら、実質的に何十年も更新不可能な訳です。もはや、考えている余裕はなく、決断の時であります。
天空率採用の物件を規制するには、今のところ、「絶対高さ制限を定める高度地区」を指定するしかありません。また、総合設計制度の物件についても、特に例外規定を設けなければ、同様です。
現時点での調査・検討を踏まえて、早期に取り組む決意や如何に。また、その際、美しい町並みを将来世代に引き継いでいく決意や如何に。伺いたいと思います。
天下り問題について
外郭団体・指定管理者への区役所OB(管理職退職者)の再就職情報をお伝え下さい。再就職先とその役職、区役所退職時の役職を、それぞれご披歴下さい。
その上で、この4月、障害者福祉センターの指定管理事業者・社会福祉法人友愛十字会に、区役所を退職した管理職員が再就職しました。
再就職先が「指定管理者」だということは、大問題です。
指定管理者には、期間を定めて、公の施設の管理を任せています。港区の場合、原則5年後には改めて指定管理者を募集・選考することになっています。そのような団体(法人)に区役所の元職員が再就職しているなんて、明らかに公正ではないでしょう。…
友愛十字会以外にも、スポーツふれあい文化健康財団、恩賜財団済生会という指定管理者に退職した管理職が再就職しています。特に、スポーツふれあい文化健康財団には指定管理者選考と決定のプロセスに関与した者が再就職しています。
区長は、先の予算特別委員会における、私・小斉太郎に対する答弁で、「指定管理者に区職員が再就職することについて。指定管理事業者もそれぞれの職員採用にあたっては独自の判断で行っているものと考えており、…」と述べました。
「事業者独自の判断」なんて、素直に受け止めることはできません。
もし、仮に、指定管理者が独自の判断で区役所の退職管理職を採用しようとするならば、「将来の選考の公正さを保てなくなる可能性を生じる」という理由で、むしろストップをかけるのが港区役所の本来とるべき姿勢ではないでしょうか。
ただ、そもそも、今回の場合、友愛十字会が、本当にその人材を求めて採用したのでしょうか。極めて疑問です。ちょっと信じられません。指定管理者を受けて一年で、独自に区役所退職者を雇うなんて、指定管理者としての資質を問われるというリスクもあるはずです。つまり、区役所からの何らかの働きかけなくして、独自に採用することはないだろう、というのが私の推察です。さらに、港区がこうした実態を見て見ぬふりをしていることからして、このポストが新しい天下り先に加わったと考えざるを得ません。
大変厳しい社会・経済状況の中で、官僚の天下りに厳しい視線が注がれている中で、このように天下り先が新しく一つ増える、という事実は、区政に対する区民の信頼を大きく損なう可能性を有していることを、私は危惧します。「この位の事は許される」と役所の皆さんが思うのであれば、それは非常に甘いと言わざるを得ませんね。それだけ、住民の目は厳しいと思います。
そこで、いくつか質問し、区長の姿勢を確認したいと思います。
友愛十字会への退職職員の再就職に、港区はどのように関与したか。
本件(友愛十字会への再就職)についても、事業者独自の判断で行われたもので、港区は関係しないとの立場か。
今後も、本件以外の指定管理者への再就職についても、関知しない、すなわち、実質的に認めるということか。
本件以外の、スポーツふれあい文化健康財団、恩賜財団済生会という指定管理者をはじめ、外郭団体・指定管理者への退職職員の再就職は、実質的に継続されると考えていいのか。
指定管理者への退職者の再就職は、再指定・選考の際の公正さを損なうという認識は持たないか。
先の予算特別委員会で、「職員の退職後の再就職先等について区は関与していない。したがって、実態調査やその結果の公表を行わない」という区長答弁があった。しかし、今回のケースのように、指定管理事業者に「何の問題もなし」ということで再就職する様を目の当たりにし、今後、多くの指定管理者に、同じように再就職していくことが危惧される。区民への十分な説明という観点からも、外郭団体・指定管理者・委託先事業者・取引先事業者への再就職の実態を明らかにすべき。管理職員の再就職先の調査、氏名、就職先の公表が急務。行う意志ありや、なしや。
友愛十字会への再就職は、新しい天下りポストが一つ増えたとともに、区長の答弁によっては、おびただしい数の天下りポストを、指定管理者という中に見出す、そのきっかけにもなり得る重大な局面と、私は考えています。