学校施設夜間警備の機械化・委託化を推進すべき

学校施設夜間警備の機械化・委託化を推進すべき

たろう通信(96/06)

 

問題の本質

 

民間、更には23区のほとんどが委託化の流れ

 

現在港区では、区立の小中学校全校において、夜間の施設警備のための職員を正規採用し、配置してます。平成6年度の決算ベースでは、職員数68名、決算額は人件費6億1619万円余、その他の経費1169万円余の計6億2788万円余にものぼります。民間の発想で考えれば、今や夜間の施設設備を自前で職員を採用して行なうことは皆無でしょう。民間の警備会社への委託化、完全機械化などさまざまな工夫と努力をされているはずです。事業形態上、自社職員を充てる例もあるそうですが、その際は通常の職員が宿直という形で超過勤務をしています。この問題で東京23区すべての状況を独自調査をしました。港区と同様に全校独自採用の職員による警備を行なっているのは5区(当区含む)、段階的に委託化・機械化に移行しているのは14区、完全に機械化、委託化が導入されているのは、品川・荒川・台東・北の4区。

この調査からも判るように、完全導入の区はまだ少ないにしても、段階的に導入を開始している区を含めると、23区中18区となり、行財政改革の一環として捉えられているといえます。検討すらされていない港区と対照的に、平成4年度完全委託機械化を達成した品川区を例に、どの程度の行財政改革であるのかを検証してみたいと思います。

 

わかりやすい品川区の例

平成4年の委託化により夜間警備費用が1/20に!

 

品川区学校警備費用

平成6年度決算

3868万円(1校あたり66万円)

仮に職員警備が続いていたら、

8億3886万円(推計) (1校あたり1446万円)

上記の表から一目瞭然、費用は約1/20に、金額にして約8億円の大幅な行財政改革です。仮に同じ割合として、港区が完全委託機械化を実施したらどのようになるでしょうか。

 

港区学校警備費用

平成6年度決算

6億2788万円(1校あたり2025万円)

仮に委託警備化されたら、

2888万円(品川区を積算根拠) (1校あたり93万円)

 

試算では上記の通り年間6億円の削減となります。区政は区民のみなさんの税金をもって運営されている訳で、当然効率化を目指さなければなりません。年間6億円ずつ節約できるという調査結果には驚きを禁じ得ませんでした。

 

参 考 港区の学校警備職員の勤務体制 (H7.4.1)

 平日 16:00より翌朝9:00まで

 土日祝日 8:15より翌日8:45まで

小学校40名 中学校22名 その他5名 計67名

 

私とこの問題の出会い

 

数ヵ月前のこと、文教委員会で行政サイドの担当課長が学校警備について簡単に触れました。私は港区の学校警備の現状に関する基礎的知識がほとんどありませんでしたので、基本的な事柄について質問をしてみました。その答弁により、港区のすべての学校で独自職員による警備をしていることが判りました。そして私が一区民の感覚で思ったことは、「そんなことをしている企業はほとんどないはずだ」ということでした。委員会終了後、ある先輩議員より「大きな問題だが、区職労(職員の労働組合)が反対しているので声もなかなか上げられない」と話しかけてきました。その時、私は内心、「区政は区民が主人公であり、組合のためにあるのではない」という思いにかられ、次の予算審議までにできる限り調査をして問題提起しようと心に決めました。

 

予算特別委員会での質問

 

前述のような経過で私は予算特別委員会において20分にわたる質問をしました。質問を通じて明らかになったことは、機械委託化を導入するにあたっての大きな問題点はないということです。そして、行政サイドも他区の状況と照らし合わせても重い腰をあげざるを得ないという雰囲気を感じさせました。やはり、大きな壁は区職労の問題だと考えられます。

しかし、強いて問題点をあげれば次の2点でしょう。

 

震災時・災害時、学校は一時避難場所となるため、職員が24時間常勤し備えなければならないという意見がある。

 

予測不可能な災害に対し、例えば港区の場合で年間6億円を充てるのはやはり疑問です。また、江戸川区では防災計画の中で、災害発生時は区の職員や近隣の住民があらかじめ指定された学校に駆けつけるような体制をとっており、必ずしも職員を24時間常勤させる必要はないという一例です。

 

学校施設の夜間・休日開放時の施設管理に支障をきたすという意見がある。

 

これも24時間職員を配置する根拠にはなり得ないと思います。開放時間に限り、臨時職員や非常勤職員、再雇用職員やシルバー人材センター等への委託

など、正規職員以外の対応の方法はいくらでもあります。実際、機械委託化を進めているほとんどの区はこのような対応をしています。

例えば、前述の品川区では、施設開放にあたっては臨時・非常勤・再雇用の職員を管理員としてあて、1施設1日2人体制をとっているそうです。平成6年度決算では、推計1億7316万円(職員人件費の平均値から積算)です。仮に、これも学校警備費用として加えると下表の通りとなります。正規職員での対応と比較すると約1/4の費用しかかかりません。

 

品川区の例

「夜間開放の管理員費用を加算した場合」

平成6年度決算

2億1184万円(1校あたり365万円)

仮に職員対応が続いたら

8億3886万円(推計)(1校あたり1446万円)

 

今後のとりくみ

 

私の質問を通して、対応の遅かった港区でも、去る2月に「学校警備職員職務内容検討委員会」という検討機関を設置していたことが判りました。同時に、学童擁護(通称緑のおばさん)・学校調理・学校用務の各職員の職務内容検討委員会も設置され、ようやく今後の適正な職員配置基準について検討されはじめました。構成は、教育委員会事務局職員4名と学校職員6名の計10名です。

今後私としては、これらの検討委員会の動きを注視していきたいと思います。また、これまで述べたように、区民のみなさんより預かる税金をより効率的で有効に活用するために、この問題の解決に向けて主導的役割を果たしていきたいと考えています。

おわり


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