多磨全生園を訪ねて
ハンセン病から学ぶ
一昨日、東村山にある「多磨全生園」を妻と二人で訪れた。そこで、人権教育啓発推進センターという財団が主催した「ハンセン病と人権」と銘打った公開講座に参加した。
私の友人というか先輩に「人権」問題の専門家がいて、彼が事務局長のNPOに関わりながら「人権」について少しずつ学んでいる。正直これまでは、「人権」を意識して生活していなかったのだが、人の態度や行動・発言、そして人に宿る気持ちまでが、他の人を傷つけていることがあることに改めて気付かされる。「人権」という言葉は固くて難しいが、今の時点で私は、「人の気持ちを汲み取ること、人を傷つけないこと」が人権を尊重することと勝手に解釈している。この意味からも、ハンセン病患者の方の筆舌に尽くせぬこれまでの歩みは、あらゆる人権問題を考えるための何にも変えられない教科書といえる。
「治らない病気」「人にうつる恐ろしい病気」という誤解から、ハンセン病患者は著しい差別と偏見に苦しんだ。国という権力による誤った隔離政策がその根源だが、同調する人々の心も忘れてはなるまい。。国は数年前ようやく過ちを認めたが、人々の心は簡単に変わるわけもなく、社会からの差別や偏見は消え去らない。
講演してくれたハンセン病回復者の平沢保治さんは、収容所内の強制労働で手足が自由に利かなくなった。結婚の時には、強制的に子どものできない手術がなされた。親類・縁者への差別を恐れ故郷を明かさず、迷惑がかかると考え、自らも帰れない。今では、帰らないのである。
自由に生きることがあたりまえで、その喜びや幸せを考える必要もない私は、本当に幸せなのだ。そしてこれからは、あらゆる人が「あたりまえ」に生きられる社会をつくらねばならない。
想像を絶する辛苦を味わってきた平沢さんが、「苦しみの先に喜びがある。人生に絶望はない。」とおっしゃった。少しのつまづきで挫けてしまう自分が恥ずかしくなった。「前を向いて、真直ぐ進もう」と勇気をもらった一日になった。
そして、「人権」について、もっと深く学んでみたいと今、思っている。
緑の森におおわれた「多磨全生園」は誰でも入れます。厳しく暗い歴史を残す史跡めぐりができます。隣にある「高松宮記念ハンセン病資料館」とともに、一度訪れてみてはいかがでしょうか?