政務調査費について考える
使途の自主的公開が急務


昨今、目黒区議会に端を発し、東京23区の議会会派に支給されている政務調査費とその使途について、波紋を広げている。今日(1月8日)の東京新聞朝刊・社会面トップにも、品川区議会自民党の政務調査費の使途について、飲食を伴う会合の領収証が不明朗だとして大きく取り上げられていた。

私も1995年から9年間の港区議時代、月額15万円の政務調査費を受け取り議会活動に活用してきた経験がある。ふりかえると、私の場合は受領した調査費の大部分を広報費に充て、さまざまな調査に基づき行った質問や発言等、議会活動の報告紙を作成し発行した。当時は、あらぬ疑念を抱かれぬよう細心の注意で使わせて頂いたつもりだ。

また、数年前、地方自治法の改正に伴って政務調査費の交付を定める条例を整備することとなり、当時私はそのプロジェクトチームの一員として議論に参加した。私は、条例づくりにあたりまず、区民への説明責任を十分に果たすため、領収証を含む使途の積極的公開と第三者機関による事後審査について条例に盛り込むよう主張。しかし、大方の賛同が得られず実現しなかった。ただ、条例に付随する「規程」の中に、領収証原本と会計帳簿の5年間の保管義務と領収証等の公開原則を定めることになった。積極的ではないにせよ、保管と公開のきまりを整備できたことは大きな成果だった。

その上で私は、昨今の事件を受けて短絡的に「政務調査費は税金の無駄遣い」「政務調査費は不要」などという声には賛同しない。確かに、今回明るみに出た目黒や品川の事例のように、遊興施設での飲食代金や経路の不明瞭なタクシー料金、自宅の改修工事や備品購入費用などは、到底理解できない使途であり、住民から「不要」の声が出るのも止むを得ない部分もある。しかし、大方の議員は、政務調査費を適性かつ厳正に活用して充実した議会活動を行っているはずで、「調査活動→議会での議論→区民への報告」という議員の職責を果たすための一定の費用助成は不可欠だ。ただし、税金から交付される以上、議員自らがその使い道の説明を積極的に行うことが条件になる。各地で不透明な使途が明らかになっている以上、自ら公開するという姿勢で襟を正すべきだ。

港区議会ではこの12月、この度の一連の事件を受けて、使途報告時の領収証の原本添付を条例に盛り込む改正を手際よく行った。条例制定時になぜできなかったのか個人的に不満はあるが、ともかくも条例化されたことは評価したい。その上で、当誌ではさらに次のような改革実現を強く求めたい。

まずは、各会派の責任でこれまでの使い道をつつみ隠さず公開すること。5年間の保存義務がありその期間の公開は十分可能だ。「自主的」に明らかにすることで住民の持つ疑念の大方は払拭されるはずだ。これができないようならば、逆に疑念は深まるばかりだ。

もうひとつは、政務調査費の使途のチェックを第三者に委ねるしくみを構築すること。千代田区ではすでに、オンブズマンや弁護士らによる使途のチェックを実施しており、大きな成果をあげていると聞く。内部監査には自ずと限界があり、区民の信頼を得るには不十分だ。これにより、交付金額の妥当性も客観的に判断できるようになるだろう。

議会はこれらの行動をおこすことで、議会の区民に対する責任を果たし、政治への信頼回復に努めてほしい。