まちづくりの思想は?
将来ビジョンが見えない


区議会の論議をみても、まちづくりについての将来ビジョンがなかなか話題にのぼらない。区役所でも「まちづくりマスタープラン」という計画の改定作業を進めているそうだが、これも、区民に対する働きかけや情報提供、説明はほとんどないといってよい。

港区というまちの景色は、江戸の世からの伝統と明治期以降に形成された住宅地としての良好な環境によって、魅力的である。この魅力を将来世代に継承していくことが求められている。しかし現在、建築に関する規制緩和などの影響で、この魅力的な環境が壊されてしまう傾向にある。

遅きに失する感もあるが、地域毎にしっかりと計画を定め、無秩序に高層ビルが乱立しないよう規制を強化すべきである。隣の新宿区では、建物の高さ制限を区内の広い地域に設けており、港区にできないことはない。

また、公園・緑地の計画的整備や河川・運河の復興・活用、快適な交通環境を目指した道路整備など、総合的な将来ビジョン、グランドデザインが必要だ。都心まちづくりの新機軸を打ち立てるべきである。

さらに当誌は、河川に蓋をし、まちを分断してしまっている高架型高速道路を将来的に無くすか地下化することを提言していきたい。首都高速道路は、東京五輪開催の際、運河や河川敷、オープンスペースといった快適に暮らせるまちに欠かせない公共ストックを潰して、突貫工事で作られたものだ。前世紀の経済成長の象徴ともいえるが、そろそろその功績を称えつつ退場頂く時期ではないだろうか。中央区では、日本橋を覆う高速道路を外そうという機運が地域で高まっており、東京都・国をも動かそうとしている。

港区でも、空の見えるまちを取り戻したい。