農夫こさいたろう便り 18/09/18-

北巨摩〈きたこま〉のあの時

すっかり涼しくなってきました。朝晩は肌寒いくらいです。振り返ってみると、暑すぎる夏はあっという間に過ぎ去ってしまったように感じる今日この頃です。このまま足早に秋が深まるのかもしれません。

ただ、経験したことのないような猛烈な暑さだったため、稲の登熟が相当早く進み、周辺の田んぼでは収穫がどんどん進んでいます。5年こちらにいて、こんなに早いのは初めてです。

さて、各生産者の皆さんは、秋に収穫する野菜の準備をされています。小松菜や水菜などの葉もの野菜、カブやダイコン、晩秋の白菜の苗づくりなど、精を出されています。秋の野菜もぜひご期待ください。

それと、平飼いたまごの生産者の徳光さんのところには、なんとヤギがやってきました。敷地内の雑草をものすごい勢いで食べています(笑)。徳光さんは、子どもたちが自然や動物と触れ合う場所にしたいようです。私も、息子がもう少し手が離れるようになったら、徳光さんを手伝いたいと密かに思っています。

※ 南アルプス・八ヶ岳山麓のエリアは町村合併を経て今は北杜市〈ほくとし〉の地域になりますが、昔は北巨摩と呼ばれていました。

 

「たくさん集めてたくさん配る」を見直すべきだ

 

こさいたろうの視点・論点 0077

2018/12/25

 

 

「たくさん集めてたくさん配る」を見直すべきだ

 

 

この師走、東京ではタクシーがつかまらないそうですね。あのバブル頃と同じですね。今から30年前。僕は大学生でした。大学生ごときにも、バブルの恩恵は滴り落ちてきていました。今風に言えば、トリクルダウンでしょうか。

 

今田舎で生活する中で、その実感は全くありません。ただ、付加価値のある(と私は思っている)農産物を、多少割高で、しかも運送料もご負担頂き、一定数の方々にご購入頂いていることを考えると、間接的に恩恵を受けているといえるかもしれません。もっと稼げないのは単に自らの実力不足かもしれません。でも、格差の拡大や貧困層の増大といった様々な調査の数値を見ると、30年前とは明らかに異なっているのだろうし、僕の肌感覚がまんざら間違いではないような気がします。

 

そんな中、来年度予算案が閣議決定されるそうです。一般会計税収は過去最高の62兆円を見込んでいるようです。でも、いつまでも安倍金融緩和バブルによる税収増が続くとは思えないし、それだけの税収増があってなお借金返済額を超える赤字国債は発行され続け、社会保障費も増加の一途をたどっています。年間の総歳出額は減らず、ついに100兆円の大台を超えてしまいました。

 

どれだけ集めてどれだけ配るのか。稼いだ人にどれだけ負担してもらって、社会の下支えをするのか。根本的に考え直さねばならない。平成の世に入り、ずっと問われ続けてきたことです。それが、なんとなく「子どもにはお金出します」「困った人にも手を差し伸べます」「お年寄りにも優しく」「公共事業は減らさず国土強靭化」などと言いまくっているのをみると、それじゃあカネがいくらあっても足りないじゃないか、と言いたくなります。でも、カネに限りはありますから、見えないように国民からの負担を増やし、社会保障などを巧みに減らしていくんですよね。

 

たくさん集めてたくさん配る。この思想は国家社会主義。戦前の統制経済。国が差配する。まさに現首相・安倍晋三氏の祖父、岸信介氏が満州で実験して、日本で展開しようとした国家像だと僕は思っています。それを今、数十年たってやろうとしているのが「お孫さん」。そして、あえて僕の感じ方を言えば、立憲民主党も実はそれに似通っているのではないかとみています。国家権力が強大な権限を握る社会です。税金をたくさん集めてそれを配分する権限を持つわけですから。

 

僕はいまだに、それは違うと思うんですよね。みんなで助け合う範囲はそこまでか考えて、それに必要なお金を税金として負担しあう。これを国全体でやることと、各地方でやることに仕分ける。この作業が必要だと思うんですよね。多くの国民は、大金稼いで華美に、贅沢に暮らしたいと思ってはいないと思います。今よりもう少し楽に、心に余裕のある暮らしができればということなんだと思うんです。それには、余裕のある人たちにあと少しずつ負担してもらうことで、かなり大きく変革することができると思うんです。

 

「都会の一部でタクシーがつかまらない」という時代が再びやってきた今、社会のありようを変えることを真剣に考えなければならないと思います。そして、その期間はごく短いということも忘れてはなりません。

 

山里からは、小さな声を発することくらいしかできませんが、いま政治を担っている人たちの責任は極めて重いということは言っておきたいと思います。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

※ 今の社会や政治に対して思うことを書き、発信する活動「こさいたろうの視点・論点」を始めています。

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平成最後のクリスマスに思うこと

 

こさいたろうの視点・論点 0076

2018/12/23

 

平成最後のクリスマスに思うこと

 

今年もクリスマスがやってきます。ただ、平成という代にやってくるクリスマスはこれが最後です。来年は天皇陛下が代わられて、新しい元号の下、クリスマスがやってくるのです。こういう表現、会えてしてみましたが、間違ってはいないと思います。が、なんだかしっくりきません。

 

5年前に山里での農作業をはじめ、昨年からは住まうようになり、昔から抱いていた違和感が大きくなってきています。どうして、日本でキリストの誕生を祝うことが国民的行事になっているのか。しかも、キリストの誕生を祝うなどと思っている人は、キリスト教の信者さん以外はほとんどいないはず。

 

サンタクロースになり代わって、親が子どもにプレゼントをあげる日。恋人同士がプレゼント交換をする日。そんなお楽しみイベント、それ以上でも以下でもない人がほとんどだと思います。このほかにも、バレンタインデーや、昨今ではハロウィンなどもありますが、僕は元来何の日なのか知りませんでした。これを書くのに調べてみますと、バレンタインデーは「殉教者・バレンタインの記念日」だそうで、ハロウィンは「秋の収穫を祝い悪霊を追い出す古代ケルト人の宗教的行事」だそうです。

 

その時期が来ると大騒ぎになる両行事も、クリスマスと同様にその起源に思いを致す人などどれだけいるのでしょうか。バレンタインの日は、思いを寄せた異性にチョコレートをあげる日。ハロウィンは僕が大人になってから盛んになった気がしますが、最近では仮装して夜中じゅう屋外で騒ぎまくる発散の日と化しているようです。戦後、あるいは明治維新以降、異文化の行事と商売を絡めて、その本来的意味を顧みることなく、日本社会に浸透しました。

 

子どものころや若い頃はあまり疑問も持たずに世の流れに身を任せていましたが、山里に住み、わが身が自然に包まれるがごとく環境で生活するようになり、自分たちは何者か、振り返ってみることが必要な気がしています。

 

日本には、その歴史や伝統に根ざした季節の行事があるはずです。お正月から節分、お花見やお月見、収穫を祝う秋祭りなど、地域によっても様々に行われているのだと思います。そこには決して、クリスマスもバレンタインもハロウィンも出てはきません。

 

来年から新しい天皇陛下が生まれ、新しい元号になります。日本の、日本人の原点は何かに改めて思いを致し、その上で、これからどんな日本の未来を志向していくのか、考える絶好の機会です。

 

働き手がいないから外国人をもっと簡単に呼べるようにとか、社会保障の金が足りないから消費税を上げればいいとか、景気が悪くなると困るから公共事業をバンバンやっちゃえとか、カジノ作って金集め使用とか、「目先の金」のことばかりで動いていく政治で本当にいいのでしょうか。

 

いずれにしても、バレンタインやハロウィンやクリスマスを国民的行事に仕立て上げて金儲けにつなげる。七五三や成人式も同じですよね。そんな華美なことを国民みんながやる必要が本当にあるのでしょうか。考え直す必要があります。

 

平成最後のクリスマスをもうすぐ迎えるにあたり、山里でそんなことを考えています。人間、金がなくなると、現状に否定的になりがちです(笑)年の瀬にすみません <m(__)m> メリークリスマス!

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

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議会が機能しない、今の日本政治

 

こさいたろうの視点・論点 0075

2018/12/16

 

議会が機能しない今の日本政治

 

入管法改正案、圧倒的多数を有する与党の賛成多数で可決成立した。でも、具体的な制度の中身はこれから決めることになる。役所が政令・省令を作り、ルールを定める。ここに議会は関与できない。

 

外国人労働者の受け入れを拡大するために、「特定技能1号」「特定技能2号」といった新たな在留資格を作ることになるが、その「技能」とはどんなものなのか、法律には書かれていない。議会の質疑を通じても明らかになっていない。ただ「受け入れる」ことだけを決めただけ。

 

これで、議会は機能を果たしていると言えるのか。昔のことを思い出す。私が関与した小さな自治体のことではあるが、同じようなことがしばしばあった。「制度の細かな部分は条例案が可決・成立した後に整備する」というようなこと。つまり、議会で条例だけ通して、あとは役所がいろいろと決めていくということ。

 

私は、制度の運用が役所のフリーハンドになってしまわぬよう、条例案審議の際にはできる限り、条例制定後の役所の運用を明らかにするように努めた。質疑を通じて、言質を取る。議会には首長の出してきた条例案を修正する権限もある。これは、賛同議員がなかなか作れず、実現させられなかったが。

 

行政が暴走しないように、権力の行使にタガをはめる役割が「議会」にはある。役人は試験によって選考・採用されるが、議員は選挙によって選ばれるのはそのためだ。それなのに、今回のような法案を課題解決もせずに通してしまうことは、議会の役割を放棄しているに等しい。

 

実質的に移民解禁となる「法案の中身」も極めて重要で深い議論が必要であることは確かだが、私が思うに、役割を果たさないことに何の疑問を感じなくなっている議会のありようが、より一層深刻なのではないかと感じている。

 

議会が機能しない、官尊民卑の社会は、安倍長期政権の間により一層進んでいるように感じる。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

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移民政策の解禁の前にやるべきこと

 

こさいたろうの視点・論点 0074

2018/12/03

 

 

移民政策の解禁の前にやるべきこと

 

 

農業の現場に身を置いて6年目になるが、「技能実習生」は農業現場にいるとしばしば耳にする単語だった。

 

以前、労務者として農業生産法人で働いているときには、友好関係にあった千葉の農家の皆さんの農場には、たくさんの「技能実習生」が働いていた。詳しく話を聞いたことはないが、主に東南アジア方面から来ている様子だった。

 

僕が見聞きした受け入れ先は、皆さんまじめな農業経営者で、今問題になっているような「最低賃金以下で働かせる」とか「労働環境が劣悪で失踪してしまう」といったこととは全くの無縁だったと確信している。

 

ただ、実態は「技能実習」ということでなく「労働」であることに間違いないと感じていた。働いてお金を稼いで、母国の貧しい家族の生活を支える。詳しい制度を知らない人でも、薄々わかっていることではないのか。

 

「移民政策はとらない」という建前を維持しつつ、単純労働の労働力としての外国人は確保したい、という大矛盾を正当化させるために「技能実習生」という制度を作り、「労働させているのではない」と偽ってきたこの数十年。この著しい矛盾と偽りの総括なくして、単純労働力が足りないという経済界の要請のみをもって、なし崩し的に移民政策を解禁してしまってよいのだろうか。

 

 

私は、農業に関わるようになったこの数年の間に、以下のような経験もした。

 

ある時、ある外国人を紹介された。農業現場に労働力不足はないか。必要に応じて外国人を「技能実習生」として送り込むことができる。そんな話だった。

 

かの国にはエージェントがあり、日本で働きたい希望者を集め、かなり多額の手数料等を支払い、日本語などの研修を受けた上で日本に来るのだという。日本でも日本のエージェントの下で一定の研修をして、働き先に引き渡されることになる。

 

「外国人技能実習生」は、給料から生活費を引いたお金が手元に残ることになる。それでも貨幣価値に差があるので、3年も働けばまあまあの金額が手元に残るらしい。しかし、最初に支払う多額のお金は、ほとんどの場合ほうぼうから借金して捻出しているようで、そのお金も返さなければならない。だから、どんなに苦しくても、時には人権が踏みにじられるような労働環境でも、簡単にやめたり逃げ出したりすることはできないのだ。

 

私が知らないだけで、制度の本旨に基づいた「技能実習」が行われている事例もあるのかもしれないが、果たして実態はどうなのか。私は、私が見聞きした事例がほとんどではないかと思ってしまう。

 

実習生を集めるエージェント、受け入れ先を探すエージェント、これらが金儲けを目的として存在していて、その儲けのほとんどは貧しい外国人研修生の懐から出ているお金という仕組み。

 

もう「技能実習」などという被り物は面倒だから脱いでしまえ。実態通りに「単純労働者」として受け入れられるようにしよう。エージェントも大手を振って金儲けしよう。そういうことではないのだろうか。

 

この度の入管法改正は、制限付きとはいえ「移民政策」の実質的解禁で、単純労働に外国人を充てることができるようにするものだ。国会審議でも幾多の問題点が指摘されているが、とにかく法律を通した後、政省令で対応するの一点張り。

 

これまでの国策を大きく変える制度改変であるのだから、じっくり時間をかけ、基本的ルールを法律に記載し、国権の最高機関たる国会にきちんと責任を果たさせる必要がある。

 

私は、外国人の人々が日本に働きに来ることに反対ではないが、きちんと受け入れるための準備は、じっくり時間をかけて行うべきだと思っている。単純労働を安い賃金で外国人にやらせる、というような差別的意識を醸成させるような社会を、まずは変えねばいけないのではないか。そう思っている。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

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原さんの監督復帰と巨人の病気再発

 

こさいたろうの視点・論点 0073

2018/12/02

 

 

原さんの監督復帰と巨人の病気再発

 

 

巨人ファンの方、ごめんなさい。まず謝っておきますね。でも、どうしても黙ってはいられないです。

 

 

巨人の監督に原氏が戻り、昔の巨人に逆戻り。金さえ出せば何でもありなのか。日本の野球界で巨人は特別、常に優勝争いをしなければならない、故に、欲しいものは何でも手に入れていいと。

 

広島三連覇の大功労者、この数年は年を追うごとに進化し続けた丸選手が、巨人にFA移籍することが決まった。FAは選手の権利でもあるので一概に否定はできないし、丸選手を批判することもあたらないかもしれない。しかし、それにしても、原・巨人のやり方はどうなのだろうか。

 

丸が守っているセンターには、今年大きく成長した生え抜きの重信がいる。さらには、数年前日ハムから獲った陽岱鋼もいる。外野手という枠で言えば、昨年中日から主砲ゲレーロを獲った。思うように働かなかったが、その代わり亀井、長野というベテランもそ外野手が気を吐いた。そんな中での、巨額を投じての丸獲得である。

 

丸以外にも、西武から捕手・炭谷をFAでとった。巨人には強肩の小林、長距離砲の大城、それに宇佐美という三人の捕手がいて、さらには阿部も来期は捕手復帰と言っている。そのような環境で捕手の補強は必要なのか。

 

そして、さらにはオリックスからベテラン中島をFA補強。今の巨人にどうしても必要な選手のようには、僕には見えない。原辰徳のやりたい放題。あれもこれも欲しい病。かつての長嶋監督にも似ているが、長嶋監督は落合、清原など一点豪華主義だったような気がする。なので、原は長嶋以上に強欲に映る。

 

すでに、巨人はプロ野球界の盟主ではなくなっている。球団がホーム球場のある地域にしっかり根を張るようになってきた。それによりパリーグも大いに盛り上がってきている。ネット社会の進展とともに、好きな球団の試合を自由にみられるようになった。もはや、地上波・日テレ系列で巨人戦しか見られない時代は終わっているのだ。

 

巨人に原監督。平成も終わろうとしている今、時代遅れの昭和を背負って再び登場したように僕には見える。

 

もはや巨人がなくてもプロ野球は成り立つ。プロ野球の関係者やファンはそのことを原さんに教えてあげるべきだ。カネに糸目もつけずに補強しても無意味なことを。そのためには来期、11球団は総力を挙げて巨人をつぶしにかかるべきではないだろうか。それによって本当に新しいプロ野球の幕が、新たな元号とともに始まるような気がする。

 

ついでに、巨人にそんなにカネをつぎ込める読売新聞社を含め、第四の権力といわれるマスコミ業界についても、僕たち日本人はしっかりとチェックし、改革を促していくことが必要なのではないだろうか。

 

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

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消費税増税。一部軽減も、商品券配布も、すべておかしい。

 

こさいたろうの視点・論点 0072

2018/11/18

 

消費税増税。一部軽減も、商品券配布も、すべておかしい。

 

安倍首相が来年10月の消費税率上げを明言し、導入予定の軽減税率は、テレビのワイドショーの格好のネタになっている。

 

コンビニの買い物の際、持ち帰れば8%だが店内で食べれば10%だとか、回転すしやで店内で食べようと思っていたものを持ち帰りに変えたらどうなるか、とか。正直、こういうことで導入が既定路線になっていくのだなぁ、と感じた。安倍首相に近い政治評論家も、国民は時間がたてば慣れてくる、というようなことを言っていた。悔しいが、同じような予感がしている。

 

そもそも軽減税率、一部のものの税率だけ下げるなんて言う制度はわかりにくすぎるし、どう考えてもあらゆる事務が複雑で煩雑になっていく。日本人はそれをこなすだろうが、その無駄は計り知れないものになるはずだ。現に私のような零細個人事業主にも、わかりにくい案内書面の第一陣が送達されている。正直、どのようになっていくのかいまだ理解できない。

 

そもそも消費税増税の前に歳出構造を見直す改革が必要であったというのが僕の持論だった。足りないから負担せよ、だけではどうしても納得がいかない。さらには、軽減税率という分かりにくい仕組みを入れて、国民に配慮している的なポーズをとる。またぞろ出てきた「商品券を配る」発想も、国民が慣れるまでの目くらましと言わざるを得ない。

 

低所得者対策であれば、給付付き税額控除という妙案もあったはずだが、検討すらされた形跡がない。これなら、将来のベーシックインカム的政策につながる可能性もあったのに。

 

私たちは今だからこそ、何が軽減税率の対象になるのか、商品券が配られるのか、などという些末な議論に巻き込まれることなく、本当に必要な行政サービスは何で、そのためにはどれだけの税負担が必要なのか、という骨太の議論をすべきではないだろうか。権力サイドが「軽減する」とか「配布する」というようなことを言うときは、その裏側には大きな負担が待っているということが多いように思う。

 

いずれにしても、今のところインボイスも出せない零細個人事業主、零細農家はこれからどうすればよいのか。売上1000万円を超えなければ心配は無用なのか。途方に暮れる今日この頃である。

 

 

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

盾の役を果たす桜田大臣・片山大臣

 

こさいたろうの視点・論点 0071

2018/11/18

 

盾の役を果たす桜田大臣・片山大臣

 

桜田大臣について

 

・ サイバー担当だけど自分でパソコンは打たない

大した問題じゃない。追及している今井何某というやつの方がうさんくさい。一体いくつ政党を代わっているのか。そういうところが野党が信頼されない理由。気のいいおっちゃんをいじめている感じがなんとも胸糞悪い。言うまでもなく桜田さんはダメなんだけど、鉄砲を撃つ方向が違うと思う。まあ、いずれにしても、こういう人を任命した安倍首相の責任は、いかにしても免れないが。

 

・ 東京五輪の基本コンセプトをこたえられない。

担当大臣だから、大臣を引き受けた時点で頭に入れておいてはほしい。ほしいが、これも実はたいしたことじゃないと僕は思っている。コンセプト知らなくても、役人が事務的にはよしなに進めてくれるはずだ。むしろ、桜田さんのいうところの国民目線で、どんどん膨らむ税金投入額、終了後どれだけの負担が国民にのしかかるのか、などを明らかにしてほしいものだ。野党も、コンセプト知らないからって攻め立てるのではなく、やるべきことをやれとお尻をたたき、やらなければそれを徹底的に叩けばいいと思う。

 

もう一人、片山さつき大臣について。

 

こちらは、疑惑が本当ならば、ちょっと看過できない。大臣ということでなく、議員バッジにもかかわると僕は思う。国税庁に口をきく見返りにカネをもらうという案件。本人は否定しているが、文春砲が次々に炸裂。これに端を発し、政治資金収支報告書にもらったカネの記載が漏れていて、事後訂正に次ぐ事後訂正。これで辻褄が合わせられるのだろうか。このほかにも、カレンダーの無償配布、顔写真入りの特大看板、波の政治家では考えもつかない疑惑のオンパレード。

 

いずれにしても、重大案件から些末な案件まであるわけだが、役所に口をきいて金をもらうというのは完全アウトだし、多額の寄付金の受け取りが政治資金収支報告書に記載されていないのも完全にアウトだ、僕に言わせれば。そのカネどこに行ったの?と。この騒動がなければどこにあったの?ということになる。自分の懐、と言われても言い訳できない。いくら訂正しても、その疑念は永遠に拭えないのである。

 

そういった意味で、桜田さんもしょーもないが、片山さんの方が大問題だと思っている。

 

ただ、この二人のことを書きながら、僕も何か大きな罠にハマっているのかもしれないと感じ始めている。この二人が出てきたことで、メディアは桜田、片山たたきに夢中。でも、実は二人とも小者ではないのか。もう少しやばくなったら、引導を渡して辞めてもらえばいいのではないか。次の人が彼らより有能であれば、潮が引くように騒動も収まってしまうような気がしてならない。

 

むしろ、この二人が矢面に立つことで、安倍首相本人が当事者のモリカケ疑惑、それを忖度して行われた様子の公文書改ざん問題、実行者である財務省の大ボス麻生財務大臣の責任問題、これらは今やうやむやになってしまっている。

 

実は、この二人の大臣が盾となり安倍首相以下実力者たちを守り、国民にとって深い議論が必要な重要課題から目を逸らさせるためのしたたかな戦略が背景にあるのではないか、と勘繰ってしまっている。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

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新米!自家大豆の味噌!長芋!

 

定期便ご購入者様など向け限定発信

 

土・水・太陽…  自然の力、

自然の恵みをたっぷり受けた農産品をぜひ食卓に

ご注文をお待ちしています <m(__)m>

新米

今年も八ヶ岳山麓の田んぼでお米を作りました。「亀の尾」というお米は、無農薬・無肥料で立派に育ちました。ミネラル豊かな八ヶ岳湧水を吸い、本来土が持っている力を借り、天日干しまでお日様のエネルギーをもらって、実りを迎えました。

☀ 2kg 1,800円(白米か玄米をお選びください)

☀ なお、5kg 10kgの袋もあります。1kgあたり900円となります。送料は、10kgまで900円 以降10kg増えるごとに700円頂戴します。

 

こさい作大豆の「味噌」

自分で作った大豆で味噌を仕込んでもらいました。自家消費用の手作り味噌。正規で販売するには各種許認可が必要なため、今のところはできません。「うちで使う味噌のおすそ分け」ということでお送りします。

☀ 500g入りの容器でお送りしますので、必要な個数をお伝え下さい。

☀ なお、その際は、無農薬無肥料の大豆栽培へのご支援金として、1パック500円のご寄付を賜りたくお願い致します。送料は別途となります。

 

長芋

今春、甲斐駒ケ岳の麓で無農薬の長芋作りに励む阿久津さんご夫妻と知り合いました。花崗岩質の水はけよい砂地であること、昼夜の気温差が大きいことが、濃い味で粘りのある長芋を育みます。

☀ 一本が大きいのでカットしてお送りします:500g程度 500

☀ なお、カットしない一本丸ごと(何本でも)、別途お送りすることができます。ご希望ございましたらご連絡下さい。1kg 1,000円(送料別途)

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農夫 こさいたろう(小斉太郎)

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100億円の児童相談所

 

こさいたろうの視点・論点 0070

2018/11/01

 

100億円の児童相談所

 

南青山5丁目、青山表参道の路地裏に児童相談所を作るという。土地代72億円。僕が区政報告会でよく使っていた農水省関連の会館跡地、いつの間にか港区が購入していた。この土地代も含め、100億円プロジェクトだという。

 

近隣住民が猛反対と報道されている。が、本当に住民だろうか。一部はそうかもしれないが、ネットの情報を見ると、あおっているのは新興の不動産屋のようだ。よく知っている。町会・商店会といった地域社会とは一線を画しているような人たちだ。名前はよく知っている。

 

だいたい、子どもの声が騒音だとか、街を台無しにするとか、田町の方でいいじゃないかとか、どうかしている。常軌を逸している。僕が知っている青山表参道を守ってきた地域住民の方々はこんな口汚いことは言わない。青山に住む人がこんなに差別的だと思われるのは、元住民として本当にさみしく、つらい。

 

ただ、同じ青山で似たようなことが数年前に起きていた。場所は、青山墓地に近い南青山二丁目。財務省の用地を港区が購入し、障害者グループホームを作ろうとしていた。そこで反対運動が起きた。

 

反対した住民の中心メンバーは、先生と呼ばれていた地域の有力者。僕も区議選初挑戦の時から応援してもらっていた。土地の価値が下がる、障害者は街にそぐわない、海沿いの方に作ればいいじゃないか、今回の反対理由とほぼ同じような言葉を次々と浴びせられた。

 

当時、僕は港区議会議員。あまり人には言わなかったが、政治家を辞めたくなるほどの衝撃を受けていた。なぜそんなに嫌悪感を抱くのか、障害者はそんなに汚いもので、まちの価値を下げてしまう存在なのか。そんなことあるわけがないじゃないか。

 

でも、現実に、その「先生」のまわりには反対メンバーが集まっていた。逆に、僕のことをおかしいと、なぜわかってくれないのか、と詰め寄られた。結局、皆さんの主張に賛同することはできないとはっきりと伝えざるを得なくなった。その後、同じまちで一緒に活動しづらくなってしまった。

 

僕は、もっと大きく社会を変えねばならないのではないか、と思うようになった。同じ人間なのに邪魔者のように扱われることがあってはならない。政治は、社会のありようそのものを変える努力をすべきではないか、と思うようになった。そのためには、日本全体の風土にメスを入れなければならない。

 

これが当時、僕が国政を志向するに至ったいくつかの理由のうちの一つでもある。

 

 

 

当時、本当はそもそも、多額の税金を投入して財務省の土地を購入する必要があるのか、ということを区議会で追及していた。障害者グループホームがその場所に必要だからその土地を買ったわけではなく、とにかく確保しておこうということで買った土地に、さて何を作ろうかと考えたのが実情だった。税金がうなるように集まり、貯金が使い切れないほど貯まっている特異な地方自治体だからこそできること。今回の「100億円の児童相談所」も、買った後にこれで行こうと決まったものなんじゃないかと、推察している。

 

税金で仕事をする以上、いくら富裕自治体だからと言って何をやってもいいということにはならない。例えば、障害者グループホームや児童相談所が本当に必要でも、多額の税金を投入し土地を買い、建物を建てて設置しなければならないのだろうか。民間の建物の床を確保したり、再開発の中に必要な公的施設を入れ込みまちづくりする、といった発想が必要ではないだろうか。

 

苦労せず巨額の税金が毎年集まり、使うことにすら汲々とする自治体には、残念ながら知恵もアイデアも出てこない。だから僕は、必要な分を計り、必要な分だけ税金を預かる政治を実現したかったが、断念するに至った。自らの生活を継続させるという、基本的生活力に欠けていたのだから、致し方なかった。

 

いずれにしても、港区が100億円かけて青山に児童相談所を作るべきかどうか、税金投入という観点から十分な精査が必要である。ただ同時に、子どもや障害者が集まり、暮らす施設が迷惑だ、などという差別的社会を許容するわけには絶対にいかない。

 

悲しすぎる、今の日本。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

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増税の前にやるべきことがあるだろう!

 

こさいたろうの視点・論点 0069

2018/10/20

 

 

増税の前にやるべきことがあるだろう!

 

 

五、六年前まで、私は街頭で、会合で、毎日のように叫んでいたフレーズだ。高すぎる公務員人件費を削る、特別会計に眠る資産を切り崩す、借金が前提の国家予算の構造を変える、規制改革を通じて経済を活性化させ税収を上げる…。などなど、国民にさらなる負担を求める前にやるべきことがある、という主張だった。

 

しかし、私は戦いに負け、政治の一線から退場した。当時、自民党と民主党の二大勢力が手を結び、国会議員の定数削減と早期解散の検討いう極めて矮小化された取引条件で、消費税増税を約束した。行政改革、歳出構造改革、規制改革による経済活性化、本当に必要な処方箋は隅に追いやられた。

 

その後、自民党・民主党は同じ約束をしたものの、失政のみを積み重ねた民主党は下野し、安倍自民党が与党に返り咲いた。各種の経済指標は好転し、アベノミクスと称した経済関連政策は功を奏した、ように見える。が、実態は、即効性の高い安易な金融緩和と巨大な財政出動の一時的な成果でしかない。

 

税収は上がったが、予算の歳出規模は拡大し続けており、借金は増え続けている。借金を返し、福祉や社会保障の水準を維持するためには、増税せざるを得ないのか。私は今でも、増税の前にやらなきゃならないことがある、と確信している。そして、それは、民主党政権でも、安倍自民党の長期政権ではなおさら、やられていないのだ。

 

一言で言えば、徹底的な行政改革。政府資産の整理から天下りの全面禁止。財源・権限を合わせて移譲する徹底的な地方分権。公務員総人件費の抑制。税収に見合った予算編成。不要不急の事業の廃止、中止。予算規模の大幅縮小。こういったことをやらずして増税をすれば、カネはまた必ず足りなくなる。

 

手元にあれば使ってしまう。簡単に貸してくれる人があれば借りてしまう。一度味わったレベルから生活水準を落とすのは極めて困難。自分たちに当てはめても、人間そんなものだ。そうでない意志の強い御仁もいらっしゃるとは思うが、僕はそう強くない。政治や行政も同じだと、私は経験から思う。

 

現に、日本国の財政法4条では「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」と、国債発行を原則禁止している。しかし、時の政府与党は1965年に初めて、1975年からほぼ毎年、特例法を作り、赤字国債を発行し続けている。

 

大本のルールを都合よく変えて、借金をすることで国家財政を成り立たせている。さらに現状では、その国債の多くは、日銀がお札を刷って引き受けている。一時的な政策としてはありうべきとは思うものの、歯止めも出口もないのが非常に危うい。先述のとおり人は、心地のいいところから抜け出すのは容易ではない。

 

増税の前に、借金体質にどっぷり漬かった行政のありようを正す必要があるはずだ。役人や政治家、それを取り巻く人たちだけが心地いいと感じるところこそに、まずメスを入れるべきではないのか。それをまったくやらないで、増税をやらせてはいけない。

 

 

 

10月15日、安倍首相は臨時閣議で、来年10月からの消費税の10%への増税を表明した。当初の目的としては、財政再建のため、だったものが、医療や介護・年金など社会保障制度の維持のためとも言われ、しまいには幼児教育無償化なども加わり、本当に増税2%分でそんなことができるのか。

 

いや、増税すればできるかどうかという議論に嵌ってはならない。そもそも、国家財政の現状、簡素で効率的な運営がなされているのか。メスを入れるべき部分はないのか。国会議員が何百人もいて、なぜ誰もこのことを言わなくなってしまったのだろう?

 

2%の増税分、ポイントで還元とか、いや現金でとか、はたまた商品券で還元せよ、などと議論されているようだ。こんな報道を聞くと、怒りがこみ上げてくる。国民を馬鹿にしている。真に増税が必要なら、多くの国民は還元とか軽減という言葉に惑わされることなどないはずだ。粛々と受け入れるはずだ。

 

そんなことよりも、「増税の前にやるべきこと」をもう一度思い返さねばならない。

 

徹底した行政改革なくして、増税の効果、成果は水泡に帰すだろう。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

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角界と政界の相似点

 

こさいたろうの視点・論点 0068

2018/10/12

 

 

角界と政界の相似点

 

 

貴乃花親方が相撲界を去るということが大きなニュースになっている。これまでの顛末を見ていると、貴乃花の挙動もおかしなところがたくさんあるし、相撲協会執行部の側も思い通りに動かない貴乃花を陰湿にいじめているようにも見える。つまり、相撲という狭小な世界の中でのいわば「幼いいざこざ」に過ぎないと僕は思う。

 

こういういざこざ、権力争いのようなことはどんな組織にもあるとは思うし、これまでの大相撲界でもあったに違いない。これだけの問題として取り上げられるのは、日本相撲協会が公益財団法人となったことも理由であろう。日本相撲協会は公益法人に相応しいのか、公益法人でなければならないのか、と常々疑問を抱いている。

 

 

 

江戸時代以前の相撲の歴史には詳しくないが、少なくとも明治以降、相撲部屋が力士を抱え、親方衆が一問を作り、合議制的な組織として運営してきたのが大相撲だと思う。各地に勧進元がいて、全国で興行する。力士や部屋にはタニマチがついて下支えをした。

 

そもそも興行だったから、時には八百長もあったはずだ。私が子どもの頃、千秋楽に七勝七敗同士の力士が対戦することはほとんどなかったと記憶している。相撲界に近しかった私の父は、テレビを見ながら「これはごっちゃん相撲だよ」なんて子ども相手に物知り顔で語っていた。でも、おそらく、それは本当にあることだったのだと私は思う。

 

それが大相撲、と多くの人が思っていればそれでいいのではないだろうか。無理に、五輪競技のような「スポーツ」と同じに考える必要があるのだろうか。むしろ、同じになんて考えられないはずだ。神事と深く結びつき、文化や伝統を継承している特別な存在だという向きもあるが、歌舞伎はどうなのか。松竹という民間企業が運営しているではないか。

 

貴乃花問題だけでなく、お粗末ともいえる不祥事が次々と明るみに出る日本相撲協会。公益法人化による権力の集中が問題の根源にあるように思えてならない。つまり、一国一城の主であった親方が実質的に協会に雇われるような形になり、いわばサラリーマン化してしまったことが問題だと感じるのだ。

 

昔は、百八しかない親方株を引退後に取得するには多額のカネが必要だったと聞く。そのころの親方は、その金を工面し、タニマチを集め、弟子を探し、部屋を運営しなければならなかったわけだ。その親方たちが集まって協会を作り、興行を打っていた。まさに、立派な事業主の集まりである。

 

しかし、今は、人も金も情報もあらゆるものが協会中枢に集まるようになり、相撲取りは現役を終えた後には、新たな出世競争をするようになる。事業主が集まる業界団体の出世競争と、サラリーマンの会社内の出世競争では、競争の内容や性格は全く違うはずだ。角界は、後者に変質してしまったように見える。

 

数十億円とも言われるNHKからの放映権料収入を中心に、巨大な利権がそこにはある。そんな中、公益法人として運営するのであれば、理事会の構成メンバーのほとんどが親方衆という旧態依然の形ではダメだと思う。逆にそうしたいのであれば、公益法人など返上し、昔のように親方衆が寄り合い運営していくべきだ。税金もきちんと払う形で。

 

そういえば、この20年ほどの間に、相撲の世界と同じような変化をした世界があることに気付いた。永田町だ。昔は政治家自らが活動するための金集めをしていたものが、政党助成金制度ができて税金が各政党に配られることとなり、それを政党幹部の差配で政治家末端に配られるようになった。

 

これによって、一国一城の主であった政治家・議員は、政党という名の会社に所属する社員のようになってしまった。幹部・役員の顔色をうかがい、社内での出世が何より大事になってしまった。本来は主権者に顔を向けて政治に携わることが当然だが、それが大きく変貌してしまっている。社会のダイナミズムが損なわれている大きな理由だと思う。

 

角界にも政界にも、保身や利権を打ち破り、日本社会のための真の改革を目指す人材が出てくることを望む。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

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内閣改造をみての感想

 

こさいたろうの視点・論点 0067

2018/10/08

 

内閣改造をみての感想

 

>  新内閣、ご感想は…?

 

というメールを頂きましたので、感想を記し、ご返信しました。今回の「視点・論点」は、そのお返事をそのまま掲載致します。皆様はどのような感想をお持ちでしょうか。気になるところです。よろしければぜひ、皆様のご感想もお聞かせ下さい。お待ちしています。

 

Iさん

 

おはようございます。

枝豆の収穫・出荷、月曜日の稲刈りも控え、何となく余裕がなくてすみません。

 

以下、内閣改造の感想です。

 

 

あれだけ世間を騒がせた財務省・公文書改竄、政治サイドが全く責任を取らないなんて言うことがあっていいのでしょうか。麻生留任は許せないことです。悪しき前例を作ってしまいました。

 

甘利、党四役入り。これも、不起訴だったとはいえ、都市公団・口利き疑惑は全く晴れていません。これも、あの程度のことは許される、というメッセージを発してしまいました。

 

稲田、党要職で復帰。防衛大臣としてあれだけの無能ぶりを見せつけられた国民としては、役職に戻すのは早すぎませんか。リベンジに値する功績はあったでしょうか。ないですよね。

 

下村氏も同様ですね。疑惑が晴れず、うやむやですから。ただ、一部情報では、息子への禅譲のため地元で動き出したとも聞こえてきます。どうなんでしょうか?

 

初入閣の面々は、ほとんどが在庫一掃なんでしょうね。ほとんど存じない人たちです。役人が作ってくれた作文を読んでいればいい、余計なことは言うな、との官邸からの厳しい指示があった人もあると聞きます。推して知るべしです。

 

唯一、少しだけ注目しているのが、石破派から法務大臣になった人。なかなかの能力があるようですね。安倍一強の中、石破支援を貫いたところも見どころありますよね。今後、安倍首相サイドに取り込まれないかどうか、が見ものです。

 

いずれにしても、Iさんご指摘の通り、小選挙区制度下の強すぎる与党、強すぎる執行部がなせる業だと思います。国会議員がサラリーマン化していることが大いなる問題だと憂慮・懸念しています。

 

以上、雑感まで。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

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沖縄の選択を重く受け止めなければ

 

こさいたろうの視点・論点 0066

2018/10/02

 

 

沖縄の選択を重く受け止めなければ

 

 

9月30日、日本列島を台風が縦断する中、沖縄県知事選挙の投開票が行われた。翁長前知事の死去に伴い行われたこの選挙は、米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設することの是非が最大の争点だった。激戦の末、辺野古移設に反対の姿勢を明確に示した玉城デニー氏が当選した。

 

辺野古移設を強力に進める自民公明の政権与党が推薦した佐喜真敦氏、316,458票。これに対し、反対の玉木デニー氏、396,632票。大接戦という予測に反し、8万票以上の大差がついた。また、選挙終盤から投票日にかけて台風が直撃したが、投票率は過去3回の知事選とほぼ同じ63.24%だった。

 

これは、極めて明確に、はっきりと沖縄県民の意志表示がなされたものと見るべきだ。現状のままで基地を新しくつくることに沖縄県民はNOという意志を示したと捉えなければならない。もうこれ以上の基地はいらない、という沖縄県民の思いを重く受け止めねばならない結果だと私は思う。

 

かつて、私が国政に挑戦していた頃、普天間基地の極めて高い危険性を除去するためには辺野古への移設もやむを得ないという立場だった。橋本内閣の大臣だった田中秀征氏や総理秘書官だった江田憲司氏から、橋本首相が普天間返還のために苦渋の決断をし、沖縄と粘り強く対話していたことを聞いていたからだ。

 

前知事の翁長氏は自民党時代、辺野古移設に賛成していたという。しかし、時を経て、辺野古移設に絶対反対の立場に変わり、県知事となった。盟友の稲嶺元知事はあるインタビューでこう述べている。

 

「自民党時代の翁長君は確かに辺野古移設に賛成していました。その後の議論の中で、彼はおかしさを感じたんじゃないかと思うんです。沖縄では議論を重ねているのに、いつまでたっても日本全体は、外交や国防という問題は自分たちには蚊帳の外、関係ない問題だ、という意識で沖縄に多くの基地負担を押し付けている。それについて、改善の努力もしない。そんな状況にしびれを切らしたんでしょう。」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57723 より引用)

 

太平洋戦争末期には、本土の盾となるべく軍民問わず玉砕を命じられた沖縄。戦後、長年にわたり米国に占領され続けた沖縄。復帰後も多くの基地が残り、不条理な事件や事故が後を絶たない沖縄。平和憲法を持つ日本の安全保障の負の側面を一手に引き受けている沖縄。私たちが本当の意味でその悲哀を理解することは難しい。

 

ただ、思いを寄せ、思いを致し、共に考え、共に問題を解決するために努力することはできるはずだ。私は、戦争を経験した前世代の政治家は、保守・革新の別なくそれができていた、本心からそうすべきだと思っていたのだと思う。だからこそ、沖縄の旧保守勢力は辺野古移設という結果を条件付きで認めてきたのではないだろうか。

 

しかし、時は移ろってしまった。まずは、無責任な民主党政権。鳩山氏の「最低でも県外」発言。根拠や見通しがあるのなら大歓迎されるべき方針だが、何もなかった。全くなかった。その後、やっぱり辺野古移転で、となりこの問題は大きく迷走を始めることとなった。

 

その後の安倍自民党政権。辺野古移設を強力に進め始めるが、沖縄県知事選挙で反対派の翁長氏が当選すると、のっけからその就任あいさつを拒否。以降、決定的な対立の構図の中で、安倍政権は決定事項を粛々と進めようと動き、今に至っている。そこには、沖縄に負担を強いているという負い目のようなものは全く感じられない。

 

この選挙でも、佐喜真候補の応援に乗り込んだ菅官房長官は、辺野古問題には一切触れず、携帯電話の料金を4割下げるといった演説をとうとうと続けたと批判を受けている。多くの沖縄の人々の心を理解しない現政権の姿勢を如実に表しているように感じる。

 

たしかに、玉城新知事となっても、すでに工事が始まっている辺野古を止めるのは難しいのかもしれない。普天間の危険を除去することがこれ以上先送りになることもあってはならない。ただそれでも、沖縄の人々は、もうこれ以上の基地はいらないとする玉城氏に自らの期待を重ね合わせたのだと思う。

 

沖縄県知事選の直前、安倍首相は自民党総裁選で三選を果たし、あと三年間の総裁任期を得た。これまでの振る舞いを見れば、多くを期待することはできない。ただそれでも、沖縄の選挙結果を重く受け止め、対話のテーブルについてほしいものだと願わずにはいられない。

 

日本はそろそろ、沖縄ありきの日米安全保障体制を変えていく準備を始めるべきではないだろうか。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

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追悼 井出正一さん

 

こさいたろうの視点・論点 0065

2018/09/15

 

追悼 井出正一さん

 

井出正一さんが旅立たれた。ご存知ない方もあるかもしれないので、以下、東信ジャーナルの記事を引用させて頂く。

 

(以下、東信ジャーナル訃報記事より)

新党さきがけ代表や厚生大臣を務めた元衆議院議員、井出正一(いで しょういち)氏=佐久市臼田(旧臼田町)出身=が、2日午前6時56分、佐久市の佐久医療センターで呼吸不全のため死去した。先月より体調を崩し同病院に入院していた。79歳。通夜は近親者のみで5日午後6時、佐久市臼田620の2の自宅。

葬儀告別式は17日午後1時、佐久市営武道館(佐久市中込2941)で、井出家と橘倉酒造合同葬。喪主は長男の太(ふとし)さんと、二男の平(たいら)さん。葬儀委員長は栁田清二(やなぎだ せいじ)佐久市市長。

井出氏は昭和14年6月20日、農林大臣、郵政大臣、内閣官房長官を歴任した衆院議員、井出一太郎氏の長男として誕生。現衆議院議員の井出庸生氏の叔父で、小諸市の元参院議員・衆院議員、小諸市長等の小山邦太郎氏は祖父。栁田佐久市長、小泉俊博小諸市長は井出氏の秘書を務めた。

慶応義塾大学経済学部卒、同大学院修了。昭和61年に自民党の衆院議員で初当選し、3期10年。平成5年に自民党を離党して3期目は新党さきがけで当選。同6年夏から村山内閣で13カ月、厚生大臣を務めた。党代表になり同8年の衆院選は、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制になり、小選挙区では新進党の羽田孜氏に敗れ、比例復活できずに落選、同10年の参院選でも落選した。

家業の橘倉酒造で代表取締役会長を務め、平成14年から長野県日中友好協会長を同27年まで務めた。

(引用終わり)

 

私は、大学在学中に東京都議会議員の秘書や選対事務局長を経験した後、結党直後の新党さきがけに所属する代議士の秘書となった。自ら政治家を志すこととなった原点が、新党さきがけだった。

 

井出正一さんは、この新党さきがけの結党メンバーだった。自民党から飛び出した10人の代議士たちの一人だった。私は事務方の末席も末席に座っていただけだったが、新しい日本を作ろうとする姿は眩しかった。

 

当時、冷戦体制の終焉、バブル経済の崩壊、国内外で社会秩序の激変が始まっていた。日本の政界は新たな針路を指し示すことができず、むしろリクルート事件をはじめとする政治とカネ問題で迷走していた。

 

そんな状況を打ち破らねばならないと思う同志が自民党を離党し、結集した。中選挙区制度下、父親から受け継いだ固い地盤を持つ井出さんは、自民党にいればまず当選は間違いない環境にあった。

 

自らの保身を捨て、あえて荒波に打って出たのが井出さんはじめさきがけのチャーターメンバーだった。38年にわたる自民党一党支配を終わらせ、新たな政治の幕を開いた功績は極めて大きい。

 

しかし、その後の新党さきがけは順風満帆とはいかず、小選挙区制度の導入が引き金となり起きた政党の離合集散の動きに埋没していく。多くの国会議員、地方議員が党を離れていく中、私は党に残った。

 

そして、衆院選前夜、党代表となった井出さんを、東京支部所属の私が代表室に訪ねた。東京ブロックで比例代表候補を絶対に擁立すべきと要請するために。

 

当時、東京選出の代議士が一人党に残っていたが、新しくできる民主党の推薦を得る代わりに新党さきがけが東京で比例候補を出さないということを、さきがけから民主党に移った菅直人氏と約束していた。

 

それはどうしても納得できない。井出さんへの直談判だった。代表室で湯呑に酒を注ぎ差し出してくれた井出さんは「小斉君、僕も同じ思いだ」と言ってくれた。生意気な若僧に対してこの時も、この後も分け隔てなく接してくれた。

 

結局、東京で比例候補は出せず、さきがけは2議席に。井出さんも落選された。次の参院選で再起を期したが届かなかった。そして、「さきがけは終の棲家である」とおっしゃって、静かに政界を引退された。

 

引退後も、常に私のことを気にかけて頂いた。無謀ともいえる挑戦にあたっても、いつも激励の言葉を贈って下さった。私が背水の陣と定めて戦った参院選の時に送っていただいた色紙にはこうあった。

 

さきがけの志をば掲げつつ 弓張り給へ 鹿を逐へ君

 

政治家としての原点が「さきがけ」にあるということを改めて思い出させて下さった。土地に根ざし、常に少数意見に耳を傾け、平和を志向し続ける井出さんの姿勢。まさにさきがけであり、僕が理想とする良識ある保守政治家の姿だった。

 

今も私の盟友である、井出正一門下で現佐久市長の柳田清二君のおかげで、出棺前、先生と最後のお別れをすることができた。目を覚まして「小斉君」と声をかけてくれそうな、眠っているようなお顔だった。

 

先生、ありがとうございました。私は、さきがけの志を忘れることなく、山あり谷ありの人生を歩み続けて参ります。

 

合掌

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

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Kosai Farm 生産者インタビュー ④

 

いつもお世話になり、ありがとうございます。

この度は、Kosai Farmよりお送りしている「無農薬・新鮮野菜」や「平飼いたまご」の生産に日々勤しんでいる皆さんの近況などを伺いました。こんな質問に答えてもらいました。

 

① 凄まじい暑さで、極端に雨の少なかったこの夏。生産活動への影響はいかがでしたか?

② 秋作に向けた準備のようすを教えて下さい。

③ 改めて、作り方のこだわりを教えて下さい。

④ これから挑戦したいことや試してみたいことはありますか?

 

竹内崇さん(8/29インタビュー)

芽を出し始めたラディッシュと紫水菜の畑で

 

① 厳しい夏でした。雨が少なすぎました。特に、いんげんやきゅうりは思うように実が成らずに夏が終わってしまいました。秋作用に種を播いた人参も発芽せず、やり直しました。水の大切さを改めて感じました。暑かったですが、体の方は大丈夫です。今年の天気が続くようじゃ、来年以降いろいろ考えなおさなきゃなりません。

 

② ラディッシュ、紫水菜の種を播いています。その他に、カブ、サラダほうれん草、青梗菜、春菊、白菜、キャベツを作ります。また、空いた畑には緑肥用植物を育てて、土づくりを進めます。土が悪いとうまくできないので。

 

③ 全く農薬を使わないことです。JAS有機の基準では使用可能な農薬もありますが、一切使わないことにしています。また、いわゆる「地力」を上げたいとも考えています。カブなどは土がいいか悪いか、顕著に出ます。落ち葉たい肥やもみ殻燻炭の活用など、いろいろとチャレンジしています。

 

④ 多品種・多品目栽培を目指してやっています。旬にあわせたいろいろな野菜を育て、皆さんに届けられればと思っています。ただ、農業専業で生活していくことを考えると、ある程度絞っていかざるを得ないのが実情です。一年で20品目くらいを作付けできるよう考えているところです。

 

(あとがき)

今年は本当に物凄い暑さで、私は日中畑に出ると一時間が限界で、水をたっぷり飲み、日陰で30分休み、作業再開といった状態でした。本来はこんなに暑くなる地域ではないのですが、少しずつ気候変動してきているように感じます。そんな中、毎日毎日生産にあたる皆さんがいて、新鮮な野菜やたまごがもたらされていることに心より感謝し、皆さんに敬意を表します。これからも彼ら生産者の皆さんの丹精込めた野菜やたまごをお送りできるよう、頑張って取り組んでいこうと思っています。また、自らも収穫物をお送りできるように努力を続けます。この秋の野菜・たまごにもぜひご期待ください。今後ともよろしくお願い致します。

Kosai Farm 農夫こさいたろう(小斉太郎)

 

Kosai Farm 生産者インタビュー ③

 

いつもお世話になり、ありがとうございます。

この度は、Kosai Farmよりお送りしている「無農薬・新鮮野菜」や「平飼いたまご」の生産に日々勤しんでいる皆さんの近況などを伺いました。こんな質問に答えてもらいました。

 

① 凄まじい暑さで、極端に雨の少なかったこの夏。生産活動への影響はいかがでしたか?

② 秋作に向けた準備のようすを教えて下さい。

③ 改めて、作り方のこだわりを教えて下さい。

④ これから挑戦したいことや試してみたいことはありますか?

 

第3回:杉浦秀幸さん(8/28インタビュー)

少雨でも立派に育ったピーマン畑にて

 

① 就農一年目ですが、思っていた夏とは違い、大変な思いをしました。少雨と熱波でいんげんやきゅうりは枯れてしまいました。一方で、なすは自分も頑張り、なす自身も頑張ってくれました。体に堪える猛暑、早朝と夕刻に農作業を集中させ、昼休みはきちんととるように心がけました。

 

② 人参は、雨が少なすぎて思うように発芽せず、二回播きなおしました。このように暑さや天候が不安ですが、大根、レタス、キャベツ、白菜など、着々と準備を進めています。

 

③ 野菜の味の緻密さを追求する中で、動物性の肥料は極力入れない、または入れ過ぎないように栽培しています。チッソが多いと味に多少のえぐみが出てしまうように感じるからです。なので、基本的に緑肥や雑草で栄養補給するように試行錯誤を続けています。

 

④ お金がかかるのでまだできていませんが、土壌分析をしっかり行い、炭素循環農法〈無肥料栽培・自然栽培の流れ〉を追求していきたいと思っています。果菜類(ナスやトマトきゅうりなど実がなる野菜)はいけると見ています。また、自家用ににわとりを5-10羽くらい飼いたいな、と思っています。

 

(あとがき)

今年は本当に物凄い暑さで、私は日中畑に出ると一時間が限界で、水をたっぷり飲み、日陰で30分休み、作業再開といった状態でした。本来はこんなに暑くなる地域ではないのですが、少しずつ気候変動してきているように感じます。そんな中、毎日毎日生産にあたる皆さんがいて、新鮮な野菜やたまごがもたらされていることに心より感謝し、皆さんに敬意を表します。これからも彼ら生産者の皆さんの丹精込めた野菜やたまごをお送りできるよう、頑張って取り組んでいこうと思っています。また、自らも収穫物をお送りできるように努力を続けます。この秋の野菜・たまごにもぜひご期待ください。今後ともよろしくお願い致します。

Kosai Farm 農夫こさいたろう(小斉太郎)

 

Kosai Farm 生産者インタビュー ②

 

いつもお世話になり、ありがとうございます。

この度は、Kosai Farmよりお送りしている「無農薬・新鮮野菜」や「平飼いたまご」の生産に日々勤しんでいる皆さんの近況などを伺いました。こんな質問に答えてもらいました。

 

① 凄まじい暑さで、極端に雨の少なかったこの夏。生産活動への影響はいかがでしたか?

② 秋作に向けた準備のようすを教えて下さい。

③ 改めて、作り方のこだわりを教えて下さい。

④ これから挑戦したいことや試してみたいことはありますか?

 

第2回:徳光康平さん(8/20インタビュー)

すべて手作り、にわとりの放牧場をバックに

 

① この夏は小玉が増えてしまいました。詳しい理由はわかりませんが、猛暑でにわとりの食が細り、水ばかり飲んでいたことが原因だと考えています。また、暑さが酷すぎて日中に鶏舎に入ることが厳しく、この夏は朝4時から作業を始め、健康維持を最優先して、日中は外の作業をしないようにしていました。

 

② (養鶏のため省略)

 

③ 鶏舎内の不断の環境改善につきます。掃除をする、たまった鶏糞の搬出、床材の入れ替え、水漏れの修繕、等々。にわとりが生き物として快適に過ごせるように環境を整えることで、いいたまごを産んでくれます。いろいろ試しながら、地道に進めます。

 

④ 敷地内の草を食べてもらうことも念頭にヤギ2頭を迎えました。冬には種付けもして、増やそうと思っています。イノシシもいたのですが、逃げられてしまいましたので、再チャレンジを画策中。ロバにも関心があり、いろいろな動物のいる体験農園、ふれあい農園のような感じにできればと夢を膨らませています。

 

(あとがき)

今年は本当に物凄い暑さで、私は日中畑に出ると一時間が限界で、水をたっぷり飲み、日陰で30分休み、作業再開といった状態でした。本来はこんなに暑くなる地域ではないのですが、少しずつ気候変動してきているように感じます。そんな中、毎日毎日生産にあたる皆さんがいて、新鮮な野菜やたまごがもたらされていることに心より感謝し、皆さんに敬意を表します。これからも彼ら生産者の皆さんの丹精込めた野菜やたまごをお送りできるよう、頑張って取り組んでいこうと思っています。また、自らも収穫物をお送りできるように努力を続けます。この秋の野菜・たまごにもぜひご期待ください。今後ともよろしくお願い致します。

Kosai Farm 農夫こさいたろう(小斉太郎)

 

Kosai Farm 生産者インタビュー ①

 

この度は、Kosai Farmよりお送りしている「無農薬・新鮮野菜」や「平飼いたまご」の生産に日々勤しんでいる皆さんの近況などを伺いました。こんな質問に答えてもらいました。

 

① 凄まじい暑さで、極端に雨の少なかったこの夏。生産活動への影響はいかがでしたか?

② 秋作に向けた準備のようすを教えて下さい。

③ 改めて、作り方のこだわりを教えて下さい。

④ これから挑戦したいことや試してみたいことはありますか?

 

第1回:畑山貴宏さん(8/16インタビュー)

復活を果たしたきゅうり畑の前で

 

① 暑すぎて日中の作業に大きな支障がありました。トラクターを運転することすら厳しく、草取りが全くはかどりませんでした。少雨による乾燥で、種が播けない、苗が枯れてしまうなど影響が出ました。来年以降、この暑さが続くのであれば、雑草対策を根本的に改める必要があると感じています。

 

② 大根、かぶ、小松菜などは無事発芽して育っています。これから、いろいろな葉物野菜の種を播くなど、準備を進めます。

 

③ 植物性の肥料を活用した土づくりがこだわりです。ゆっくり育ち、味が濃くなると実感しています。また、30品目ほどの野菜は、種を自家採取しています。より思い入れ深い野菜が育ちます。

 

④ 家庭菜園向けの教室のようなことを始めています。今は年4回ほど座学の教室として開催しています。有機・無農薬の農業を始めて16年目、自然とつながる暮らしの実践者として、その経験や知識を伝える活動を広げていきたいと考えています。畑の先生のような立場を目指していければと思っています。

 

(あとがき)

今年は本当に物凄い暑さで、私は日中畑に出ると一時間が限界で、水をたっぷり飲み、日陰で30分休み、作業再開といった状態でした。本来はこんなに暑くなる地域ではないのですが、少しずつ気候変動してきているように感じます。そんな中、毎日毎日生産にあたる皆さんがいて、新鮮な野菜やたまごがもたらされていることに心より感謝し、皆さんに敬意を表します。これからも彼ら生産者の皆さんの丹精込めた野菜やたまごをお送りできるよう、頑張って取り組んでいこうと思っています。また、自らも収穫物をお送りできるように努力を続けます。この秋の野菜・たまごにもぜひご期待ください。今後ともよろしくお願い致します。

Kosai Farm 農夫こさいたろう(小斉太郎)